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9月18日から20日にかけて、東京・お台場の東京ファッションタウンにおいて「ゲノムテクノロジー・ビジネス・フォーラム&第3回CBI学会大会」が開催された。3日目にあたる20日にはグリッドコンピューティングに関連した講演が行なわれた。
特別講演では、独立行政法人産業技術総合研究所グリッド研究開発センター長の関口智嗣氏が「グリッド技術の最新適用分野」と題する講演を行なった。同氏はまず、「グリッド技術は、ユーザーがインターネットを通じてスーパーコンピューターを使える技術だと誤解されている」と述べた。分散コンピューティングによるスーパーコンピューター的な使い方はグリッド技術の一部だが、決してそれだけのものではない。グリッド技術とは、「TCP/IPやWebブラウザーに相当するもので、ネットワークで接続された情報資源、つまりコンピューターや実験装置、データベース、アプリケーションなどを、誰でも、いつでも、どこからでも利用可能にする技術」と語った。
そもそも「グリッド」とは「格子」という意味のほかに「送電網」という意味も持つ。関口氏は、「必要な時に、必要なサービスを、即座・瞬時・簡便に享受できるようになって欲しい」と語った。まだまだグリッド技術には、「遊休CPUをみんなが利用するならば、遊休CPUそのものが存在しないのではないか」「グリッドに自分のPCを提供すると個人情報も漏洩してしまう」といったさまざまな誤解が存在しているという。同氏は、「日々の生活シーンに入ってくるようなグリッドが必要で、必ずしも複雑な計算はいらない」といい、「『グリッドが何を提供してくれるのか』から『グリッドに何ができるのか』という魅力的なアプリケーションや応用例を提案しなくてはならない」と語った。
(2002/9/20)
[Reported by okada-d@impress.co.jp]