【業界動向】

distributed.netが64ビット暗号「RC5-64」の解読に成功

■URL
http://www.distributed.net/pressroom/news-20020926.html
http://www.rsasecurity.com/news/releases/pr.asp?doc_id=1400

 米RSA Security の研究センターRSA Laboratoriesは26日、同社主催の暗号解読コンテストにおいて、世界のユーザーが参加する「distributed.net」チームが64ビット暗号「RC5-64」の解読に成功したと発表した。

 distributed.netチームは約4年間(1,757日)かけ、33万1,252人の参加者が587億4,759万7,657ユニットの鍵空間を調べた後、東京にあるPentium III 450MHz搭載のWindows 2000マシンが7月14日、解読鍵を発見。しかし、サーバーのスクリプトが壊れていたため、8月12日まで気づかなかったという。その後、distributed.netはRSA Laboratoriesに報告し、RSAが検証した後、distributed.netは賞金1万ドルを獲得した。ちなみに、解読されたメッセージは「some things are better left unread」だった。

 RSAは1997年、DESやRC5などの対称暗号アルゴリズムの強度を評価するため、暗号解読コンテストを開始。当時、米政府は標準暗号方式として56ビットのDESを採用しており、RSAでは、より強力な暗号の必要性を訴えるためにコンテストを始めた。

 一方のdistributed.netは、分散コンピューティング技術を用い、多数のユーザーがコンピューターの空き時間を利用して、暗号鍵の候補を網羅的に試す手法により、これまでにもRSAのコンテストで、56ビットのDES暗号の解読に成功している。今回のコンテストでは、33万1,252人が参加し、1日に最大8,695万894ユニットの鍵空間を調べた。これは、鍵空間全体の0.12%に相当し、この最大速度では鍵空間全体を790日で調べられるという。

 distributed.netの共同創立者で会長を務めるDavid McNett氏は「我々は、この問題を解くために、時間やコンピューターの空き時間を提供してくれた全ての参加者に、非常に感謝している。我々は、コンピューターの処理能力を集約してセキュリティー技術に適用できることを再度示した」とコメントしている。

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(2002/9/27)

[Reported by 江藤 浩幸]

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