【レポート】
ある日編集部に、重油流出事故により損害を受けている日本海の水産関係者を救おう、と呼びかけるメールが届いた。このメールは、転送に転送を重ねたもので、いわゆるチェーンメールとなっていた。
このメールには、元の投稿者の連絡先が明記されていたため、編集部では投稿者に問い合わせてみた。それによると、最初の記事は重油事故のメーリングリストに投稿したもので、チェーンメールとする意図はなく「全文転送は、ご自由にしてください」と一言付記しただけだったとのこと。それが次々と転送されることによって、意に反して知らぬ間にチェーンメールと化していたとこのとだ。実際、編集部のスタッフの入っているいくつかのメーリングリストでも同じ内容が様々な経路から転送されてきており、これはチェーンメールではないかとの指摘もされていた。
チェーンメールは非常に伝播力が強く、一見便利に見えるかも知れない。しかし、第三者によって情報が伝わっていく中で、情報を止められなくなることや、情報が勝手にすりかえられていくことなど危険性が大きい。今回の場合は、メールを受け取った人の善意により次々と転送されていったわけだが、元記事が投稿された翌日にはすでにチェーンメールとなって投稿者も困惑していたとのこと。たとえ受け取ったときに公共性が高いと思っても、二次情報をメーリングリスト等の手段によって広く転送するといった行為は避けたい。
なお、今回の件については、転送を受けた人が全文をWWWに掲載しており、元の投稿者も、メールを転送するのではなくそちらを見るように言っている。URLは下記のとおり。メールを転送するぐらいなら、自分のページからリンクを張るのがいいだろう。
http://www.mahoroba.or.jp/~naito/oil-i01.htm
http://www.sado.co.jp/oil/MAIL.HTM
http://www2e.meshnet.or.jp/~EdelHome/tohogu/toshi.htm
http://www.bekkoame.or.jp/KONPEITO/rinji.html
http://dejaweb.com/~hideo/ishikawa.html
('97/2/3)
[Reported by masaka@impress.co.jp / tatekawa@planet.club.or.jp / ushiro@x.age.or.jp / x2600@can.bekkoame.or.jp]