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2月13日、幕張メッセで開催されているネットワークおよび情報システムの展示会「Net&Com'97」において、米Netscape Communications社のJim Barksdale社長は、キーノートスピーチおよび記者会見を行なった。
この中でBarksdale社長は、'95年を「WWWとインターネットの爆発的な拡大」の年、'96年を「WWWの企業内部への発展、イントラネットの登場」の年と位置づけ、'97年は「WWWベースの電子メールとグループウェア」が注目される年になるだろうと述べた。WWWベースの電子メールというのは、HTML言語を使ってメディアリッチに表現できる電子メールのこと。具体的な例として、同社が米国でサービスを行なっているIn-Box Directをあげた。グループウェアは、現在開発が進められているNetscape Communicatorのことを念頭に置いているのはもちろんだ。「WWWベースの電子メールとグループウェアこそがイントラネットの生命線になるだろう」と強調した。
Netscape社は現在開発の重心をイントラネット市場向け製品に移行しつつあるとし、その2つの柱が、クライアント製品のCommunicatorとサーバー製品のSuiteSpotということになる。2000年にはイントラネット市場が100億ドル規模に達すると予測する調査結果を提示し、Netscape社はそのうちの1/3~1/2のシェアを取るつもりであると述べた。
記者会見の席上、最近よく報道されているWWWブラウザー市場におけるNetscape Navigatorのシェア低下についての質問が出た。Barksdale社長は、WWWブラウザー市場には製品を先行投入できたため、一時は80%ものシェアを得ることができたが、市場の拡大とともにシェアが落ちていくのは当然であるとの認識を明らかにした。逆に、電子メールやグループウェアの市場では後発であるがシェアは拡大していると述べた。また、イントラネット市場におけるWWWブラウザーの占める部分はごくわずかで、Microsoft社とのシェア争いという意味ではInternet ExplorerとよりもBackOfficeやExchange Serverとの競争のほうが重要であるとした。イントラネット市場ではNetscape社は60%のシェアを確保しており、Microsoft社はいまだ20%にも満たないとの数字をあげている。
今後の予定としては、CommunicatorとSuiteSpot 3.0の日本語版は数カ月以内に、Collabra日本語版は第2四半期末に、Constellation(本誌'96年11月22日号参照)はベータ版を第1四半期、製品版を今夏にそれぞれリリースすると述べた。また、延び延びになっていたIn-Box Directの日本でのサービス開始については、ようやくサービスを行なえる環境が整い、すでに複数のメディアからオファーがあるので近々サービスを開始できる見込みであるとしている。
('97/2/13)
[Reported by nagase@impress.co.jp]