【業界動向】
日本広告主協会の内部研究部会は、インターネット広告について「制作コストの詳細が不明」「広告料金体系が不明瞭」「インターネットの特性を生かしていない」といった問題点をまとめた。これらは、協会内に設置されている「ディジタルメディア委員会」内の「作業部会」で問題点として出されたもの。作業部会は、広告主の立場からインターネット上での広告活動を考える目的で設立され、資生堂、ソニー、トヨタ自動車、NEC、小学館、凸版印刷、東芝の7社によって構成されている。
問題とされている「制作コストの不明さ」については、広告制作を行なうソフト会社から詳細な制作費内訳の提示がないこと。また、その原因として制作料金の価格基準が不明確であることをあげた。また、「広告料金体系の不明瞭さ」については、その料金設定の妥当性についての疑問をあげている。
「インターネットの特性を生かしていない」といった問題については、同部会がインターネット広告が消費者の心理にどのような影響を及ぼすかをまとめあげる過程から出たものだ。部会で資料として配布された「広告による心理変容過程における機能分類」によると、「認知→理解→好意→欲求→アフターケア」の流れにおいて、インターネット広告はテレビや新聞に比べ、認知以外のフェーズで効果があり、特に購買以降のアフターケアや次期商品開発のための情報収集については、著しく効果があるとしている。しかし、現在のインターネット広告は、他メディア広告の手法を置き換えただけであり、また、売り物の「双方向性」をまだ生かしきれていない点を問題としている。
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('97/2/21)
[Reported by okiyama@impress.co.jp / chibiayu@sag.bekkoame.or.jp / mikarin]