【特集】
高い通信費に悩まされつづける日本のインターネットユーザー。繋ぎっぱなしスタイルのアメリカとは大きく環境が異なるが、最近ではテレホーダイを利用すれば、深夜から早朝にかけてはその環境を実現できる。しかし、夜な夜な眠気まなこを擦っては、ディスプレイに向かうという生活は不健康なことこの上ない。
そこで登場するのがWWWのオートパイロットソフトだ。毎回決まって訪れるようなWWWページを登録しておけば、寝ている間にデータを自動ダウンロード。起きてから朝刊代わりに集めておいたページを優雅に読む、ということができるようになる。
今回の特集では、3つの有名ソフトの機能紹介を中心に、どんなことができるのか見ていくことにしよう。
最近ではWWW用のオートパイロットソフトも数多く出回るようになり、どれを使ったらいいのか迷うところ。そんな混沌とした状況の下、店頭の様子や雑誌での取り上げられ方を見ていると、定番と呼べるのは「NetRecorder2」「WebWhacker」「PerMan Surfer波乗野郎」の3つのソフトと言えそうだ。
■NetRecorder2(Windows) |
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ソフト制作会社ではなく、プロバイダーが作った異色のオートパイロットソフト。まずダウンロードしてきた最初のHTMLファイルを解析し、複数のコネクションを同時に張ることで高速化をはかっている。Internet Explorer 3.0のモジュールを呼び出し、ダウンロードしたデータをそのままインラインで表示させることができるのはとても便利。さらに、検索機能や認証のサポートなど、機能面では文句無しだ。かなり安定度が高く、ページの取りこぼしも少ないが、HTMLファイルの解析などにやや時間がかかる。また、IE 3.01が必ずインストールされてしまうため、IE 4.0 Platform Previewを使っているユーザーは注意が必要だ。
◎ザクソン株式会社、11,800円(発売記念キャンペーン:8,800円) |
■WebWhacker(Windows/Macintosh) |
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http://www.aisoft.co.jp/aisoft/japanese/products/webwhack/webwhack.htm ForeFront社が開発、エー・アイ・ソフトが日本語化。ダウンロードしたファイルをデータベース化して管理する方式が特徴的。作成されたデータベースからローカルミラーサイトを再現することも可能だ。また、簡易プロキシーとしても利用でき、検索機能は特に便利。JavaアプレットやActiveXコントロールなど、ありとあらゆるファイル形式をサポートしている。Windows版、Macintosh版の両方が用意されているが、Macintosh版は一部のファイル形式がサポートされていない。
◎エー・アイ・ソフト株式会社、9,800円(発売記念キャンペーン6,800円) |
■PerMan Surfer波乗野郎(Windows/Macintosh) |
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http://www.bug.co.jp/nami-nori/index.html 96年3月末に登場した、日本初のオートパイロットソフト。個性的な犬のキャラクターで人気がある。インターネット経由での販売・サポート体制が整えられており、パソコンショップなどで購入することはできない。ベーシックな作りで、認証などの必要な機能は一通り揃っている。Windows用のオートパイロットソフトが多いなか、Macintoshをしっかりとサポートしている点で評価できる。
◎株式会社ビー・ユー・ジー、6,800円 |
NetscapeとMicrosoftのWWWブラウザーをめぐる熱い戦いはますます過激になり、両社ともに話題のプッシュ技術を取り入れ、オートパイロット機能も搭載されるようになった。その理由はどうあれ、ソフトが便利になるのはユーザーにとってはたいへん喜ばしいこと。はたして使えるか?
■Netscape Communicator 4.0 Preview Release 4(Windows) |
ftp://ftp.netscape.com/pub/communicator/4.0/netcaster4.0b4/ 付属コンポーネント「Netcaster」により可能になった自動巡回。ただし、現行バージョンでは、データのアップデートに問題があり正常に動作しない。30分~1週間単位で自動更新させることができ、読みに行く階層の深さも設定可能。「Webtop」機能をオンにすれば、デスクトップ全体をWWWブラウザーとして利用できる。現在はWindows版のみの公開となっており、Macintosh版、UNIX版の登場が待たれるところだ。 |
■Internet Explorer 4.0 Platform Preview(Windows) |
http://www.microsoft.com/ie_intl/ja/ie40/ お気に入り(ブックマーク)機能が大幅に拡張されており、リストに追加する際に「購読する」を選択することで、オートパイロット機能が利用できる。更新のタイミングは、15分から月単位まで自由にカスタマイズできる。また、更新通知をメールで受け取る機能があり特徴的で面白い。 |
これらの他にも様々なオートパイロットソフトがある。スクリーンセーバー型のソフトや、元々英日翻訳用に作られたソフトなど、各ソフトそれぞれに個性がある。その多くはインターネット上で入手できるようになっているので、色々と試して自分に合ったツールを探し出すのもいいだろう。
■WebAuto(Windows) |
http://www.dango.or.jp/yanasoft/software/webauto.html 和製シェアウェアのエクスプローラ風巡回ソフト。タイマ予約、プロキシー設定、認証などを中心に細やかな設定ができるのが特徴。 ◎有限会社ヤナソフト、3,000円(シェアウェア) |
■Teleport Pro(Windows) |
http://www.tenmax.com/pro.html エクスプローラ風の巡回ソフト。機能的にまとまっており、扱いやすい。ダイヤルアップの設定が細かく指定でき、Javaアプレットなどのダウンロードも可能だ。 ◎Tennyson Maxwell、39.95ドル(シェアウェア) |
■インターネットアクセスマネージャ(Windows) |
http://www.psinfo.nec.co.jp/iam/ ダイヤルアップ環境を前提とした巡回ソフト。電話料金とプロバイダーの課金を細かく設定、自動計算できるのが特徴。60日間のお試し版がダウンロード可能。 ◎日本電気株式会社、7,800円 |
■WebWhat'sNew(Windows) |
http://www.aisoft.co.jp/aisoft/japanese/products/whatsnew/whatsnew.htm 通常のWWW自動巡回機能をベースに、ページ中の更新された部分だけを抜き出して表示することができる。電光掲示板のようにデータを表示させておくことも可能。 ◎エー・アイ・ソフト株式会社、12,800円(発売記念キャンペーン9,800円) |
■WebEx(Windows) |
http://www.travsoft.com/products/webex/facts.htm 起動したとき、あたかもNetscape NavigaterやInternet Explorerのツールバーのように動作する。仮想プロキシーとして常駐するため、各URLがローカルファイル名に変換されることなくオリジナルのまま利用できる。 ◎Traveling Software、29.95ドル |
■ぷらネットウォ~カ~(Windows) |
http://www.o-2.co.jp/pnwalker/index.html 声優による音声ガイダンスがあり、とにかくよくしゃべる巡回ソフト。残念ながらタイマーによる自動巡回機能はないが、ダウンロードした画像データの閲覧機能がついているので、主に画像データ収集をしているネットサーファーにはおすすめ。 ◎有限会社ウェブテクノロジ/株式会社オーツー、6,800円 |
■Lotus Weblicator(Windows) |
http://www.lotus.co.jp/weblicator/ 仮想プロキシーサーバとして常駐し、すべての設定はブラウザの表示画面でおこなえるという一風変わった巡回ソフト。6月中旬発売予定で、今のところ価格は未定だが、お試し版がダウンロードできる。 ◎ロータス株式会社、未定 |
■Vegas95 Proxy(Windows) |
http://plaza4.mbn.or.jp/~rah/vegas.html 本誌ダイジェストニュースでもおなじみの巡回ソフト。プロキシーとして常駐し、WWWブラウザーをコントロールする。まだβ版なので不安なところがままあるが、これからの成長が楽しみなシェアウェア。 ◎株式会社プレゼンテック、3,800円(シェアウェア) |
■Web Buddy(Windows/Macintosh) |
http://www.dataviz.com/Products/WebBuddy/WB_Home.html ダイヤルアップの設定がないので、Windows版ではダイアルアップネットワークから接続してしまう。そのためDunceなどのダイヤルアップ支援ソフトを使わない限り接続ダイアログで停止してしまうので、ダイヤルアップ環境での自動巡回にはあまり向いていない。 ◎DataViz、39.95ドル |
■Dr.SURF(Windows/Macintosh) |
http://www.iijnet.or.jp/mvi-cs/2PRODUCT/MVI/DRSURF/SURF.HTM 本来は英日翻訳支援ソフトだが、オートパイロット機能を持っている。巡回しながら同時に翻訳してもいいし、あとでスプールにたまったデータを翻訳してもOK。 ◎株式会社メディアヴィジョン、12,800円 |
■インターネット翻訳の王様(Windows) |
http://www.ibm.co.jp/software/internet/king/index.html 本来は翻訳ソフトのため、巡回ツールとしての機能はそれほど充実していないが、 ダウンロードしたものを自動翻訳してくれるので英語が苦手な人には便利かも。 ◎日本アイ・ビー・エム株式会社、7,800円 |
■Flashnavi(Windows) |
http://www.kk-sec.co.jp/secint/Flashnavi/ ダウンロードしたデータをスクリーンセーバーとして表示させることができる画期的なソフト。検索機能を利用すれば、自分の欲しい情報だけを収集することができる。 ◎株式会社セック・インターナショナル、3,000円(シェアウェア) |
■FreshEye(Windows) |
http://www.toshiba.co.jp/tech/software/fresheye/ 巡回先のデータをダウンロードせず、自分の好みにあわせてキーワードを設定すれば、自動的にデータをフィルタリングし、結果を表示してくれる。学習機能もある。 ◎株式会社東芝、評価版のみ |
ソフト名 | プロキシー(*1) | 認証ページ(*2) | タイマー設定 | OS |
NetRecorder2 | △ | △ | 任意の時間間隔、日付指定、毎週(最大7回) | Win |
WebWhacker | △ | △ | 毎日、平日のみ、週に1回 | Win/Mac |
PerMan Surfer波乗野郎 | ○ | △ | 毎日 | Win/Mac |
Netscape Communicator | ○ | × | 30分~12時間間隔、毎日、毎週 | Win |
Internet Explorer 4.0 | ○ | ○ | 任意の分、時間、日にち、週、月間隔 | Win |
WebAuto | ○ | ○ | 毎日(最大6回)、毎週(最大7回)、毎月(最大31回) | Win |
Teleport Pro | △ | △ | 毎時、毎週(最大7回)、毎月 | Win |
アクセスマネージャ | △ | × | 毎日、毎週、毎月 | Win |
WebWhat'sNew | ○ | △ | 毎時、任意の時間ごと | Win |
WebEx | △ | △ | 毎時、毎日、平日のみ、週に1回 | Win |
ぷらネットウォ~カ~ | △ | △ | なし | Win |
Lotus Weblicator | △ | △ | 任意の分、時間、日にちごと | Win |
Vegas95 Proxy | △ | × | 毎日、毎週、毎月、指定日数ごと | Win |
Web Buddy | × | × | 毎週(最大7回)、毎月 | Win/Mac |
Dr.SURF | △ | × | なし | Win/Mac |
翻訳の王様 | △ | × | 毎週(最大7回) | Win |
Flashnavi | ○ | △ | 任意の時間帯 | Win |
FreshEye | ○ | △ | 毎日(最大2回)、毎週(最大2回) | Win |
(*1)×:未対応、△:対応(例外設定不可)、○:対応(例外設定可)
(*2)×:未対応、△:対応(通常認証のみ)、○:対応(通常認証+CGI認証)
('97/5/26)
[Reported by yuno@impress.co.jp / dome@impress.co.jp / Watchers]