【レポート】
Microsoft社よりリリースされた「Internet Explorer 4.0」の最新β版だが、編集部ではWindows95の英語環境を用意し、さっそく使ってみた。
インストールの際は前バージョンの時と同じく、「Active Setup Wizard」を使って必要ファイルのダウンロードとセットアップを行なう。前回はシェル非統合のバージョンもあったが今回は用意されていなかった。インストールタイプはMinimal版(14MB)、Standard版(15MB)、Full版(22MB)の3つが用意されていて、実際のインストールの手順はほとんど前回と変わらない。ただ、今回のバージョンから実装された「Active Channels」のロケーション選択が追加されている。31の地域と言語の選択肢があり、「Japanese」もしっかり用意されていた。
セットアップが完了するとまず目に付くのがActive Desktop上の「Channel Bar」の存在だ。Bar上のボタンをクリックすると「Active Channels」の該当サイトに接続する。「Active Channels」はMicrosoftが提唱しているプッシュ型情報配信フォーマット「CDF」を利用したコンテンツ提供技術で、このバージョンでの最大の目玉。Channel Bar上にあらかじめ表示されるチャンネルは上記のロケーション選択によって変わるようだが、ディズニー・Warner Bros.といったエンターテイメント系や、MSNBC・PointCastといったニュースサイト系などが、実際に情報配信を開始していた。受信方法も通常のWebでの表示のほか、Acrive Desktop上でコンパクトに表示できるチャンネルもある。編集部では確認できなかったが設定次第ではスクリーンセーバーにも表示することもできるようだ。今後新設されるチャンネルに関しては、Microsoftの提供するチャンネル「channel guide」で参照できるようになっている。
セキュリティ面ではネットワーク全体をローカル・イントラネット、安全なサイト、一般のインターネットサイト、危険なサイトの四つのゾーンに分割し、それぞれにセキュリティレベルを設定できるようになった。安全サイト・危険サイトの指定は個人でも設定できるほか、将来的には「Internet Explorer Adoministration Kit」を利用して、ネットワーク管理者が一括して設定することもできるようになる予定だ。
他には住所や氏名、年齢などといった個人情報をブラウザにあらかじめ登録しておく管理機能が追加されていた。
その他の点では、ユーザーインターフェイス面での変更が目立った。ツールバーだけでなくメニューバーも可動式になり、リンクバーも今までの5つまでの制限がなくなりハイパーリンクをドラッグ&ドロップするだけ追加できるようになるなど、より高度なカスタマイズが可能になっている。「Favorites」や今回から加わった「History」「Channels」も、前バージョンでの「Search」と同じように表示画面の左がわに内容が表示されるようになり、一覧性が高まっている。
Pendragon Software社の「CaffeineMark 2.5」でJavaのベンチマークを行なってみたところ、ループとメソッドの呼び出しがかなりスピードアップされていることが分かった。少なくともこの結果だけを見ると、これまでリリースされている他のWWWブラウザーと比較したとき、全体的なパフォーマンスが30倍以上も高速化されていることになる。
IE 4.0 Preview 2 | IE 4.0 Preview 1 | Communicator 4.01 | |
---|---|---|---|
Sieve score | 1165 | 1044 | 1056 |
Loop score | 437277 | 5390 | 5546 |
Logic score | 5407 | 1478 | 2438 |
String score | 2196 | 623 | 554 |
Float score | 1974 | 1614 | 1816 |
Method score | 50408 | 1932 | 2072 |
Image score | 157 | 153 | 174 |
Graphics score | 70 | 52 | 48 |
Dialog score | 20 | 40 | 38 |
CaffeineMark | 35935 | 1057 | 1169 |
試しに日本語環境にインストールしてみたところ、シェルは統合されないものの、ブラウザ本体はインストールすることができた。その際「Active Channels」のロケーションで「Japanese」を選択することで、毎日ニュースやリクルート、TVガイドといった国内のチャンネルを覗くこともできたが、ほとんどがまだ準備中の状態だった。
インストールしてみて特に不安定になることはなかったが、プロパティのタグの一部が英語化されるなどの不具合もあるので日本語環境へのインストールはお勧めできない。
('97/7/16)
[Reported by dome@impress.co.jp / yuno@impress.co.jp]