NTTは、第一勧業銀行など国内の銀行25行と、NTTが開発した「電子現金」方式による、電子マネー「スーパーキャッシュ」の実験を行なうと発表した。
「スーパーキャッシュ」は、バーチャルモールと実際の店舗のどちらでも利用できる、ICカード式の電子マネー。実験は、'98年10月頃からモニター数1万人を対象に、G-SquareなどWWW上のショッピングモールで開始する。さらに、'99年2月頃からモニター数10万人を対象に、東京・新宿地区で実際の店舗での実験も開始する。デパートやコンビニなど1,000店が目標で、通常の店舗のほかに、公衆電話などでも利用できる予定。2000年の商用化前提とした本格的な実験で、世界最大規模のものになる見込み。このほかに、大規模な電子マネーの実験としては、'98年6月に渋谷でモニター数10万人を対象に行なわれる予定の、VISAキャッシュの実験があげられる。
NTTでは、従来から日銀金融研究所と共同で、電子マネーの研究や開発を行なっている。今回の実験は、それらの技術を利用したもので、不正使用をされた場合でも追跡が可能なほか、複数の銀行間で相互流通も行なえるなどの特徴がある。実験では、銀行のキャッシュカードと、電子マネー機能を合わせ持つ接触型のICカードを用いる。電子マネーの発行は、各銀行が行なう。
実験では、さらに公共交通機関での利用や、他の電子マネーとの共用性、非接触型ICカードとの共用化などについても対応していきたいとしている。
('97/11/10)
[Reported by junko@impress.co.jp / tatekawa@planet.club.or.jp]