■URL
http://www.nagano.olympic.org/(NAOC公式ホームページ)
長野オリンピック冬季競技大会組織委員会(NAOC)は、IBMと協力して長野オリンピックの情報システムの開発に取り組んできたが、開発およびテストをほぼ終え、報道陣に対して概要を公開した。長野オリンピックまであと67日。着々と準備は整いつつある。
IBMが長野オリンピックの情報システムの開発を実際に開始したのは、リレハンメル冬季大会が終了した直後の'94年3月という。長野では、インターネット・テクノロジーをベースにしたイントラネットシステムが使用され、競技結果の速報や選手のプロフィール、気象情報、競技スケジュール、過去の記録などのデータを報道関係者や選手、大会関係者などに提供する。先日行なわれたフィギュアスケートNHK杯では同システムが実際に運用され、ほぼ満足いく結果が得られたとのことだ。また、NAOCの公式ホームページを通じて全世界のインターネットユーザーにも情報を発信する。
システムオペレーションセンター(SOC)とメインプレスセンター(MPC)、国際放送センター(IBC)の3個所が45Mbpsの専用線で相互に接続され、大会期間中は全体で約4,000台のマシンがこのイントラネットに接続されることになるという。
大会の進行を支援する中核的な役割を果たすコア・ソフトウェア・アプリケーションとして、「リザルト・システム」「コメンテーター・インフォメーション・システム(CIS)」「Info'98」「NAOC公式ホームページ」などがある。順に見ていこう。
・リザルト・システム・コメンテーター・インフォメーション・システム(CIS)
TVキャスターが競技の実況内容をより充実させるために、オリンピックの膨大な情報に実況中即座にアクセスできるようにしたデータ管理システム。端末はタッチスクリーンディスプレイの接続されたIBM PC 350(OSはOS/2 Warp)で、総計1,900台が稼動の予定。中央管理データベースの最新情報にアクセスできるため、実況時点での途中結果などを取り出すことができる。たとえばアイスホッケー競技では、シュートを打った選手とその位置、得点した場合にはゴールのどの場所に決まったかなどの詳細情報も提供される。なお、これらのデータを実際に打ち込むのはほとんどがボランティアのため、オペレーションのしやすさも考慮したシステムとのことだ。アイスホッケーの場合、1試合に必要なデータ入力のためのボランティアは60~70人にものぼるという。
・Info'98
・NAOC公式ホームページ
NAOCの公式ホームページは'96年11月からすでに公開されているが、大会期間中は各競技の参加選手や公式結果、写真、交通情報など幅広い情報が提供される。なお、競技結果については逐次更新される予定だが詳細は未定。非公式・公式ともに結果が発表されてから遅くとも1時間以内には配信できるだろうとしている。サーバーシステムは、日本に1システム、米国に3システムが設置され、各々は約40台のRS/6000SPで構成、負荷分散を図る。
メインプレスセンター(MPC)の共用ワーキングルーム。600席が用意され、両端にはInfo'98端末50数台も並ぶことになる。MPC内には24時間営業のカフェテリアや売店、レストラン、銀行・郵便局、マクドナルドまである | 選手や大会関係者の記者会見が行なわれるカンファレンスルーム。大会後は長野市の公共施設として利用されるとのこと。ちなみに、隣接するMPCは大会後はダイエー店舗に変身 | アイスホッケー会場のビッグハットに置かれた試合データ入力用のThinkPad。このシステムは10月に東京で開催されたNHL公式戦で使用されたものと同じとのこと |
('97/12/2)
[Reported by nagase@impress.co.jp]