総務庁は、パソコンやインターネットなどの情報通信に関する意識調査を目的に、'97年9月に実施された「青少年の情報通信を活用したコミュニケーションに関する調査」の結果を公開した。
調査対象は、小学校5年生から中学校2年生までの児童・生徒2,287人およびその保護者2,246人。対象となる小・中学校は、全国を6ブロックに分け、各ブロックから1県づつ計6県を選択、その都道府県ごとに「100校プロジェクト」または「こねっと・プラン」参加校から小学校を1校、中学校を2校選択し、一般の学校から小・中学校を1校づつ選択した。
児童・生徒のパソコン通信やインターネットの使用年数は、「半年より短い」が44.9%、「半年~1年」が28.8%、「1年~2年」が11.6%、「2年~3年」が3.5%と、過半数が使い始めてからまだ1年程度しか経っていないことになる。また、パソコンやインターネット等に関する情報の入手源としては「テレビ」が66.1%と最も多く、以下、「普通の雑誌・新聞」が36.9%、「学校の先生や授業」が31.0%、「家族」が24.3%、「友達」が20.4%となっている(複数回答可)。
児童・生徒を対象にした調査結果の中で、インターネットやパソコン通信の用途については、「いろいろな情報を手に入れる」が57.8%と最も多く、以下、「ホームページを作ったりして、自分のことや自分の意見を知ってもらう」が17.6%、「友達をふやす」が8.7%、「同じ趣味の人を探す」が6.8%となっており(複数回答可)、コミュニケーションの手段としてインターネットを利用するよりも、情報の収集・発信にインターネットを利用することが多いのがうかがえる。
興味深いのは、保護者を対象にした調査結果の中で、インターネットやパソコン通信を「どんどん利用させたい」と回答しているのが62.0%なのに対し、インターネットやパソコン通信を利用する際に必要なこととして、「子供がトラブルや犯罪に巻き込まれないようにする」と回答しているのが74.4%(複数回答)、「ポルノや暴力などの有害な情報を子供に見せないようにする」と回答しているのが65.9%(複数回答)と、「利用させたいのだがどうも心配だ」という保護者の懸念がうかがえる。
また、インターネット上の有害情報への対応は主に誰が行なうべきかについては、「指導や規制などの国・地方自治体による公的な対応」を求めるのが45.6%、「業界や個別の業者による自主的な対応」を求めるのが27.5%と、公的な機関や企業に頼る傾向が見られた。「子供本人の判断力などを育てるための指導・教育」を求めるのは16.6%、「保護者による自衛的な対応」を求めるのは6.5%と、自衛するという意識は意外に低い。
('98/1/5)
[Reported by kono@impress.co.jp]