マルチメディア総合研究所の調査によると、'97年1年間のターミナルアダプター(TA)の出荷台数は、前年比153%増の110万1,000台に達することがわかった。
過去、TAの出荷台数は'94年が6万台、'95年が11万台、'96年が43万4,500台と、インターネットの普及とともに年々増加の一途をたどってきた。同研究所では'97年当初、市場規模を90万台と予測していたが、TAの低価格化や同番移行が可能になったことでISDN契約が加速。予測台数を大幅に上回る結果となった。
メーカー別のシェアを見ると、NECが38.1%(42万台)でトップを維持。昨年の43.7%よりポイントは下がったものの、出荷台数では昨年の19万台から前年比121%増。従来から市場をリードしてきたAtermシリーズに、USBポート付きモデルやワイヤレス機能を搭載したモデル、低価格モデルなどの新製品を投入し、幅広いユーザーニーズに対応した結果と言える。ついでNTTが35.4%(39万台)で2位。OCN加入者へのセット販売などによる販売体制の強化がシェアにも反映し、'96年の16.1%(7万台)から一気に19.3ポイントアップ、販売台数でも前年比447%増の大幅な伸びとなった。3位にNTTエンジニアリング東京の10.4%(11万5,000台)と続き、上位3社のシェア合計は83.9%になる。
2月に発表されたNTTの平成10年度事業計画におけるINS64の販売計画では、今年1年間で150万回線の増設を見込んでいる。これにともなって、'98年のTA出荷台数も137万台前後に膨らむとマルチメディア総合研究所では予想している。
('98/3/9)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]