国内の銀行とNTTが推進していた電子マネーの共同実験「スーパーキャッシュ」の具体的な実施内容が決定した。'99年2月から参加企業の社員を中心にパイロット実験を開始、同じく4月より一般参加者による実験を開始する。
スーパーキャッシュは、NTTが開発した、ICカードを用いたタイプの電子マネー。専用端末を通じて銀行の口座からカード内に預金をダウンロードし、買い物をした分だけ店の端末に支払う。パソコンに端末を接続し、インターネットを通じてやりとりすることもできる。各銀行がそれぞれ電子マネーを発行するが、複数の銀行が発行した電子マネーを互いに流通させることも可能だ。
実験では、10万枚のカードを発行。現実の店舗での「リアル実験」とインターネット上の店舗での「バーチャル実験」が行なわれる。リアル実験は新宿地区で行なわれ、小田急百貨店、高島屋、エーエム・ピーエム、ファミリーマート、紀伊國屋書店、ビックカメラ、出光興産とコスモ石油のガソリンスタンドなどが参加するほか、スーパーキャッシュで公衆電話がかけられる。自販機や券売機への導入も検討中だ。バーチャル実験では、NTT、NEC、JCB、大日本印刷、凸版印刷などが運営するモールが参加する。最終的には、リアル、バーチャルあわせて約1,000店舗の参加を予定している。
なお、この4月には実験の推進母体となる「スーパーキャッシュ協議会」が発足。スーパーキャッシュの商用化へ向けて検証を重ねていくとしている。
('98/3/25)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp / 金丸雄一]