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【特集】

どこが一番使いやすい?国内の本が買えるWebショップ比較

 買いたい本はあるのだけど、書店にいって探している時間がない!という人も多いのでは? そんなときに使えるのがインターネット上のショップ。検索機能があって、書店で探すより便利だったりもする。今回は、「国内でさまざまな国内の本が買えるショップ」の中から代表的なものを選び、どこが便利か比較してみる。

今回購入する本
比較するショップのプロフィール
検索しやすいサイトベスト3
3月16日に注文してから現在まで
本の到着順位
編集部のおすすめショップベスト3

●今回購入する本

 今回は3冊の本を各ショップから購入して比較する。編集部で選んだ3冊は次のとおり。

1:ループ/鈴木光司 価格:1,600円、角川書店('98年)
 ISBN4-04-873095-9
 「買いにいく時間はないけど、話題の本はおさえておきたい」そんな人向けに、最新のベストセラーとして、トーハン総合、6週連続第1位を選択。

2:虚航船団/筒井康隆(ハードカバー) 価格:1,900円、新潮社('84年)
 ISBN4-10-600639-1
 本好きの編集部Y氏が探しているという本を選択。Y氏曰く、「文庫はどこの本屋でもあるが、ハードカバーは見つからない」という。

3:JAVA入門/Nathan Gurewich、Ori Gurewich 価格1,631円、インプレス('96年)
 ISBN4-8443-4763-2
 「近所には置いていないパソコン書籍を探したい」という場合を想定して、パソコン関連書籍を選択。

●比較するショップのプロフィール

 今回は、以下の7つのショップを選んだ。一口に本が買えるショップといっても、有料の会員制度をとり、会員向けに検索機能などを充実させているショップから、検索サービスなどはないがいつでも欲しい時に買えるお手軽ショップまでさまざまだ。また、意外と差があるのが送料。自分の地域を確認して、安いところを選ぶのもひとつの方法だろう。
 なお、各出版社の販売ショップは原則除外したが、パソコン書籍を出版社から直接購入する例として、手前味噌ながらインプレスダイレクトを試してみた。

■紀伊國屋書店
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/
複数の本を買う場合にはイチオシ。CDなど本以外のコンテンツも充実。会員登録も素早い。

事前登録:要 登録所要日数:3日(土日含む)
ファックス又は郵送で申し込み。登録完了後、電子メールにてIDを連絡してくる。
入会金:なし 年会費:1,500円
決済:クレジットカード
海外発送:
国内送料:1回につき全国一律480円。注文が2冊以上の場合、店頭在庫分など早く発送できる本から即発送してくれる。入荷が遅れた本はその後の発送だが、2回目以降は無料。
オンラインでの注文状況確認:

■図書館流通センターホームページ
http://www.trc.co.jp/trc-japa/index.htm
今日の新刊や今週の新刊など、新刊案内が充実。出版社へのリンクも充実している

事前登録:要 登録所有日数:4日(土日含む)
ファックスまたは郵送で申し込み。登録完了後、電子メールにてIDを連絡してくる。
入会金:なし 年会費:なし
送料:国内の場合、1回300円。7,000円以上は無料(一部の地域を除く)。
決済:クレジットカード、代金引換
海外発送:
国内送料:1回につき300円。7,000円以上の場合は無料
オンラインでの注文状況確認:

■丸善 インターネット・ショッピング・サービス
http://www.maruzen.co.jp/booknet-index-j.html
在庫もわかる商品検索が特に便利。ただし、会員以外の場合、検索の上限は10件。

事前登録:要 登録所有日数:5日(土日含む)
ファックスまたは郵送で申し込み。登録完了後、郵送にてIDを連絡してくる。
入会金:なし 年会費:なし
決済:クレジットカード
海外発送:不可
国内送料:1回につき380円(一部の地域を除く)。
オンラインでの注文状況確認:

■クロネコヤマトのブックサービス

http://www.bookservice.co.jp/
注文ごとに各出版社から調達する方式。素早く届くのが便利。

事前登録:不要(クレジットカード払いの場合必要)
入会金:なし 年会費:なし
決済:代金引換/クレジットカード
海外発送:
国内送料:1回につき362円(全国一律)。
オンラインでの注文状況確認:

■八重洲ブックセンター
http://www.yaesu-book.co.jp/index-j.html
会員手続きなど面倒なことは一切無し。メールの対応が素早いのが嬉しい

事前登録:不要
入会金:なし 年会費:なし
決済:代金引換/クレジットカード
海外発送:不可
国内送料:関東の場合410円、地域によって差がある。
オンラインでの注文状況確認:

■旭屋書店
http://town.hi-ho.or.jp/asahiya/
ホームページのコンテンツが充実!

事前登録:不要
入会金:なし 年会費:なし
決済:代金引換/クレジットカード(後日電話でカード番号を問い合わせ)
海外発送:不可
国内送料:1回の送付につき500円(一部地域を除く)。15,000円以上の場合送料無料。
オンラインでの注文状況確認:無

■三省堂書店
http://www.books-sanseido.co.jp/index.html
国内の本の注文の場合は登録不要。会社からのアクセスの場合、ファイアウォールの制限で注文できない場合も。

事前登録:国内の本のみ注文の場合は不要
入会金:なし 年会費:なし(洋書の場合、入会金3,000円が必要)
決済:代金引換/クレジットカード
海外発送:不可
国内送料:15,000円以上の場合、送料無料。15,000円未満の場合、全国一律800円。
オンラインでの注文状況確認:

■インプレスダイレクト
http://www.ips.co.jp/
送料無料が嬉しい。インプレスグループの本を買うなら間違いなくイチオシ。

事前登録:不要(電子メール新聞は要登録)
登録をする場合、WWW上から会員申し込みをすると、即時に会員になれる。
入会金:なし 年会費:なし
決済:クレジットカード/郵便振替
海外発送:
国内送料:国内の場合、送料無料
オンラインでの注文状況確認:

●検索しやすいサイトベスト3

 編集部で試してみたところ、どこのサイトもヒット率は高く、書名だけでも検索できた。速度も耐えられないようなところはなかった。その中で使い勝手を考えると、丸善が一番便利だ。
 検索をするときに気を付けたいのが、英文の入力だ。ほとんどのところが全角のみしか対応していない。例えば今回の場合、「JAVA」などと半角で入力してしまったところ、検索できずに慌ててしまった。せめて、注意書きぐらい欲しいところだ。その点、丸善はどちらでも検索できるので便利。丸善はまた、在庫管理がリアルタイムで行なわれているため、検索結果とともに在庫のあるなしがわかるのも嬉しい。
 なお、ISBNコードからの検索に対応しているところがほとんどのなので、著者名などを打ち込まなくてもISBNコードだけで検索できる。雑誌で見た本が欲しい、といった場合は、ISBNコードを控えておくと便利だ。

第1位:丸善 インターネット・ショッピング・サービス
第2位:紀伊國屋書店
第3位:図書館流通センターホームページ

ショップ名

速度

データ量

半角/全角

備考

紀伊國屋

約130万件 かな、英文は全角のみ 会員以外でも検索可だが、制限あり
図書館流通センター

678,262件 かな、英文は全角のみ 会員以外でも検索可
丸善

約150万件 全角かな、英文は半/全角可 会員以外でも検索可だが、制限あり
クロネコヤマト

検索機能なし

八重洲ブックセンター

検索機能なし

旭屋書店

検索機能なし

三省堂書店

洋書の検索のみある

インプレスダイレクト

約2,000件 英文は半角のみ グループの本+ソフトの検索のみ

●3月16日に注文してから現在まで

 注文してから現在に至るまでのショップとのやりとりの過程を紹介する。注文してから実際に商品が届くまでは、今どうなっているんだろう?と気になるもの。そういう点では、オンラインで確認できるショップは便利だ。電子メールなどで質問に応じてくれるところもほとんどだ。

紀伊國屋書店
注文は?:注文手続きは、検索した一覧からクリックすればできるので、比較的ラク。

16日:月曜日深夜に注文
19日:木曜日午後、「『ループ』を本日発送処理をした」とのメール。
20日:金曜日午後、「『虚航船団』が品切れにつき入手できなかったのでキャンセルさせていただきます」とのメール。残念。
21日:土曜日午後、「『JAVA入門』を本日発送処理をした」とのメール。
23日:月曜日「ループ」到着
24日:火曜日「JAVA入門」到着

注文後の状況:在庫がないとキャンセルになるのは、いささか強引な気もする。在庫があるものから送ってくれる(2冊目以降は送料無料)のは嬉しい。



図書館流通センター
注文は?:複数の本を注文する場合の方法がわかりにくく、少々不便。

16日:月曜日深夜に注文
17日:火曜日午前、注文内容の確認メールが届く。注文の書籍がすべて入荷してからの発送になるとのこと。
20日:金曜日午後、状況が気になるので、入荷状況の確認メールを出してみる。
24日:火曜日午後、「『虚航船団』の入荷待ち、時期は不明、出版社問い合わせ中」とのメールが届く。

注文後の状況:すべてまとめての発送となるため、急いでいる場合は不向きかも。


丸善
注文は?:商品を仮想のバスケットにいれるごとに確認のダイアログがでてくるので、何を注文しようとしたのか確認できて便利。当たり前のような気もするが、同様の方式のショップで、確認が出てくるところは少ない。

16日:月曜日深夜に注文
17日:火曜日午後、受注したとのメールが届く。「品切・絶版等の入手不能商品については、電子メールで連絡する」とのこと。
21日:土曜日午後、「『ループ』が在庫切れで、4月10日頃入荷」とのメール。購入するか、見送るかの意思確認メールが届く。
23日:月曜日午後、購入するとのメールを出す。
26日:木曜日午後、 「メールにて連絡頂きました通り手配致しました」とのメール。

注文後の状況:現在のところ、まだ届いていない。オンラインで確認すると、「取り寄せの手配をしました」とのこと。どれも在庫はなかったようだ。



クロネコヤマト
注文は?:WWW上のフォームから、注文したい書名などを入力し、送信するだけ。会員登録も要らないので、飛び込みでもOK。

16日:月曜日深夜に注文
17日:火曜日午前、受注したとのメールが届く。「通常4日~7日程度で届くが、インプレスの本は時間がかかる場合がある」とのこと。
17日:火曜日午後、自動送信で「4日から7日前後の予定」とのメールが届く。
17日:火曜日午後、「インプレスの本は時間がかかると書いたが、配信ミスだった」とのメールが届く。こちらは手動でのメールのようだ。
23日:月曜、3冊全てが宅急便で届いた。

注文後の状況:一番早くすべての本が揃った。手軽で嬉しい。



■八重洲ブックセンター
注文は?:WWW上のフォームから、注文したい書名などを入力し、送信するだけ。手軽なのが嬉しい。

16日:月曜日深夜にWWW上から注文
17日:火曜日午前、調達中とのメールが届く。注文の状況を知りたい場合は、電子
   メールにて確認してほしいとのこと。
20日:金曜日深夜、オーダー状況の確認依頼を電子メールでする。
21日:土曜日午後、「『虚航船団』が在庫切れ、出版社からの取り寄せ中」とのメールが届く。送料が2回分になるが、在庫があるものだけ先に発送も可能とのこと。
23日:月曜日午後、先に発送してもらうようメールを出す。
24日:火曜日午後、「2点を先に発送いたしました」とのメール。

注文後の状況:発送したとのメールが届いてから2日経過したが、まだ届いていない。



旭屋書店
注文は?:WWW上のフォームは一冊分しか用意されておらず、複数本を頼む場合の考慮がなされていないように思える。電子メールで申し込む。

16日:月曜日深夜に電子メールで注文
20日:金曜日午後、音沙汰がないので、確認メールを出してみる。
23日:月曜日午後、注文が入っていなかったことが判明。「『虚航船団』は現在のところ、ハードカバーは絶版で、新潮文庫のみ。文庫でもよいか」とのメール。また、「『ループ』は在庫があるが、『JAVA入門』は取り寄せ。入荷したら連絡する」とのこと。

注文後の状況:まだ何も届いていない。『虚航船団』のハードカバーは絶版とのことだが、ちゃんと届いているショップもある。少々疑問。



三省堂書店
注文は?:会社のファイアウォールの関係で、注文に手間取った。

16日:月曜日深夜にWWW上から注文しようとしたが、エラーが出てうまくいかない。諦めることに。
17日:火曜日午後、調べてみたところ、会社のファイアウォールの関係で、注文ができなかったことが判明。プロバイダーのダイヤルアップ接続に切り替え、注文する。
20日:金曜日深夜、オーダー状況の確認依頼を電子メールでする。
24日:火曜日午後、「『虚航船団』の入荷待ち。版元在庫は確認できており、まもなく入荷予定なので、もう少し待ってほしい」とのメール。待つことにする。
26日:木曜日、3冊すべてが届く。

注文後の状況:すべての本が揃った。待って欲しいとのメールから届くまでが、かなり早かった。



インプレスダイレクト
注文は?:注文してすぐに確認メールが来るのは安心だ。

16日:月曜日深夜に注文
16日:月曜日深夜、注文後すぐに確認メールが届く。
23日:月曜日、『JAVA入門』が届く。会社が休みで受け取れなかったが19日の発送だったもよう。
注文後の状況:注文してから届くまでが少々長かった気がする。せっかく版元から直接買えるのだから、もう少々スピードアップを期待したいところだ。


【到着状況一覧 4月15日現在】

ショップ名

ループ

JAVA入門

虚航船団

紀伊國屋

到着

到着

品切れ

図書館流通センター

到着

到着

到着

丸善

未着

未着

未着

クロネコヤマト

到着

到着

到着

八重洲ブックセンター

到着

到着

到着

旭屋書店

到着

到着

到着

三省堂書店

到着

到着

到着

インプレスダイレクト

到着

●本の到着順位

 今回の到着順位は、クロネコヤマト、紀伊國屋、インプレスダイレクトがほぼ同時。ほぼ、というのは、月曜日に3社からまとめて届いたため。ショップに問い合わせてみたが、宅配の場合、会社宛のものは土日に配達しないようにしている場合があり、一概にいつ届くとは言えないとのことだった。

 1位:クロネコヤマト(宅配便)   【所要日数:約 7日】
 1位:紀伊國屋(宅配便)      【所要日数:約 7日】
 1位:インプレスダイレクト(郵便) 【所要日数:約 7日】


 4位:三省堂書店(宅配便)     【所要日数:9日】
 5位:八重洲ブックセンター(宅配便)【所要日数:10日】

現在まだ届いていないショップ
 丸善             
 旭屋書店            
 図書館流通センター

'973月30日現在

●編集部のおすすめショップベスト3

 まだすべてのショップから本が届いているわけではないが、ひととおりの作業を終えたところで、編集部のオススメを紹介する。欲しい本の種類などによって、ショップを使いわけるのも手だ。

■新刊に強い!複数注文する場合にオススメ/紀伊國屋書店

 購入したいと思った商品を仮想のかごに入れて、最後にまとめて注文の処理ができる「ショッピングバスケット方式」をとっている。もちろん、検索結果の一覧からかごに入れることもできる。
 複数注文した場合は在庫があるものから発送してくれるので、待たされないのが嬉しい。その場合の送料は、2件目以降は無料。対応も比較的早く、オススメ!
 ただし、カテゴリ別からの検索や新刊案内がわかりにくい。また、これらはテキストでなく本の表紙の画像で一覧する作り。表紙が見られるのは嬉しいが、少々重たいのが難点。せめて画像がもう少し小さいと言うことないのだが…。

ショップに聞く
Q1.>>1日の注文件数はどのくらい?
A1.>>洋書和書と併せて、1日1,300件~1,500件です。

Q2.>>セールスポイントはどんなところ?
A2.>>新刊が早いところです。新刊は、出版社のほうも書店に在庫を一斉に出してしまうため、出版社から取り寄せられないこともあります。その点、紀伊國屋書店の在庫を出すことができるため、新刊を早くお届けできます。また、「仮想書棚」コーナーを設けてあり、インターネットでお店にいるような感覚で本を選んでいただけます。

Q3.>>今後の増強計画はありますか?
A3.>>本を充実させていくのはもちろんのこと、今後は洋書のデータベースに力を入れていきたいと思っています。



■一刻も早く買いたいならここ!/クロネコヤマトのブックサービス
 注文は、注文画面から住所、書名や著者などを入力して送信するだけ。かなりシンプルだ。編集部が試したところ、値段や出版社などわからないことは省いても大丈夫だった。確認メールはすぐに届く。これで大丈夫なの?と心配になるほど、あっさりしている。
 しかし、対応もかなり素早く、3冊同時に届いたのはこのショップだけだ。完全に欲しいもののタイトルや著者名などがわかっている人にはオススメ。
 なお、ホームページに掲載されている新刊案内から購入を決意した場合でも、書名をいちいち書かなくてはならないのがめんどうだ。インターフェイスの改善を望みたい。

ショップに聞く
Q1.>>1日の注文件数はどのくらい?
A1.>>1日、100件~150件ぐらいです。曜日によって多少違います。

Q2.>>セールスポイントはどんなところ?
A2.>>直接ヤマト運輸が、1日の注文があった分だけを出版社から集めてくるので、いわば“出版社の倉庫が在庫”となっているところです。通常は、在庫がないものは取次を通すため、かなり時間がかかるのではないでしょうか。

Q3.>>今後の増強計画はありますか?
A3.>>まだ時期は確定していませんが、データベースを導入したり、オンラインでの決済などもできればと思っています。


■注目の本をいち早く知るならここ!/旭屋書店
 正直いって、WWW上の注文フォーマットなどイマイチな面もある。まだ本が来ていないので、オススメというには少々早いかもしれない。
 しかし、ここのページのコンテンツは数あるページの中でもイチオシ。各種受賞者・受賞作品を揃えたコーナーや、新聞の書評のトピック、旭屋店員のおすすめ本など、こまめに更新されている。今話題の本を知りたいときにはぜひここを見てみるといいだろう。

ショップに聞く
Q1.>>1日の注文件数はどのくらい?
A1.>>3件程度です。

Q2.>>セールスポイントはどんなところ?
A2.>>「何を読んでいいかわからない人向けの提案型のサイト」というところです。目的をもって見るというよりは、そういう人に読んでもらえればと思っています。

Q3.>>今後の増強計画はありますか?
A3.>>データベースを導入したり、クレジットカードなど決済方法をお客さんに選択してもらえるようにしたいと思っています。

('98/3/30)

[Reported by junko@impress.co.jp / Watchers]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp