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【政策】

政府の総合経済対策、情報通信分野に2兆円

 政府、自民党が月内にまとめる総合経済対策の柱となる情報通信分野は9日、全国の小・中・高校への光ファイバー回線導入に教育用パソコン配備費などを加え、各省要求ベースで総額2兆円を超える規模に達する見通しとなった。

 経済効果に疑問がある道路など従来型公共事業への批判を考慮、情報通信を21世紀の高度情報化社会にそなえた新社会資本整備と位置づけ、思い切った予算配分をめざす。

 情報通信分野の整備は従来の建設国債を財源にした支出項目に該当しない分野が中心になる。自民党の通信部会と電気通信問題調査会は9日午前、建設国債の「時代に即した見直しを早急に行なう」と申し合わせたが、財政当局の抵抗は大きく計画の全面的実現には曲折も予想される。

 郵政省がまとめた情報通信社会資本整備計画は、学校への光ファイバー回線接続に8,300億円、全国規模の光基幹回線網の構築などで3,000億円。2000年が目標の地上波テレビ放送デジタル化に伴う中継局整備、遠隔地医療に応用できるテレビ電話整備も含む合計は1兆8,000億円。

 同省はNTTが2005年をめどに進める光ファイバー網の全国展開を促進、学校教育を通じたパソコン、インターネットの家庭への浸透など経済波及効果が期待できるとしている。

 学校へのパソコン配備や校内システム構築など文部省、自治省所管分は数千億円となる。自民党筋は「情報通信分野は全部で2兆2,000億~2兆3,000億円になる」としている。

 学校への光ファイバー接続はNTTが敷設した回線を借り上げ、学校に無償で使用させる形とする案が出ている。デジタル化のための中継局整備は、民放各社がデジタル化をまだ表明していないため研究開発費名目とする。

 これまでの政府内折衝で大蔵省は、光ファイバー回線の借り上げは「財源となる建設国債の使途として認められない」とし、中継局整備も「一業種への実質的な補助金だ」と難色を示している。

('98/4/9)

[Reported by yuno@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp