郵政省は5月28日、電気通信事業者が保有する個人情報の保護に関するガイドラインを7年ぶりに改正する方針を明らかにした。個人情報の流出が社会問題となっているためプライバシー保護を強化する半面、インターネット接続業者に加入者の接続記録の保存を求めるなど、ネットワーク犯罪の防止色をにじませる内容になる可能性が強い。
29日に研究会を発足、9月までに新ガイドライン案を盛り込んだ報告書をまとめる。
改正の焦点となるのは接続記録の保存強化。現行のガイドラインは接続記録などの個人情報の保存を求めてはいるが、実態はあまり徹底していない。一方でガイドラインは、個人情報の保存期間終了後にはプライバシー保護の観点から「遅滞なく消去」することを求めている。
これに対して警察庁は、犯罪捜査の立場から接続業者による接続記録の保存強化を求めてきた。一方、郵政省は保存強化を求めると接続業者の負担になるとして消極的な立場を取っており政府内の意見は一致していなかった。研究会では、犯罪捜査とプライバシー保護の折り合いをどうつけるかについて検討する。
また、携帯電話を契約して料金を払わない悪質な加入者が増えていることから、加入時の審査を目的に加入者情報を交換したいとの要望があり、交換情報の管理方法なども討議する。
('98/5/28)
[Reported by masaka@impress.co.jp]