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【N+I 98 Tokyoレポート】

最先端がわかる!「ShowNetウォーキングツアー」参加レポート

 「NetWorld+Interop 98 Tokyo」では、会場内に構築されたネットワーク「ShowNet」を実際に見て回って学べる「ShowNetウォーキングツアー」を実施している。編集部でも参加してみたのでツアーの様子をレポートしたい。


■ShowNetツアーとは

ShowNet

 ShowNetとは、最先端の技術によるネットワークを期間中会場内に構築し、運用するというもの。昨年まで「InteropNet」と呼ばれていたが今年より名称変更した。さらに、いままでネットワーク構築用の機器や人員などは各国の会場を転々としていたが、今回のShowNetは、機器の提供はもちろん、構築、運営も日本で行なっている。

 そんな「ShowNet」をわかりやすく紹介してくれるのが「ShowNet ウォーキングツアー」。会場内のShowNetの各ポイントを案内しながらその構造や技術について説明してくれるというもので、説明は、ShowNetの構築、運用、保守までを担う「Network Operating Center(NOC)」チームのメンバーが行なっている。ツアーに参加できるのは、1回20名までで抽選によって決められる。また、巡回するパターンによって2コース設けられている。ツアーの所用時間は約1時間だ。

 編集部が参加したのは、4、5、7、8ホールを回る「ルート2」のコース。案内をしてくれるのは、NOCのメンバーである奈良先端科学技術大学院の山口英氏だ。



■ブリーフィング

ブリーフィング

 ツアーは、まずホール4の上にある「ShowNet ツアーブリーフィングルーム」でブリーフィングを受けることから始まる。ここでは、ShowNetの目的、特長などを紹介してくれる。今年のShowNetの特長は、Gigabit Ethernetによるバックボーンの構築、POSIP(155Mbps)によるNOCとNXPIXP2との接続、次世代インターネットプロトコル「IPv6」をネイティブのATMネットワーク上で走らせているこ。また、ShowNetの構築には5月22日から取り組んでいるといった裏話も聞けた。



■ツアー出発

キヤノビーム

 まず最初は、会場2F通路に設置してある「使用ケーブルのサンプル」、そして、同じく通路にある「キヤノビーム」の見学だ。キヤノビームとは、高速変調された光ビームを使って最大2kmの光空間電送を行なう装置。会場では、向かいにある「国際会議棟」との間を155MbpsのATMネットワークで通信しているとのこと。その後、ShowNetを経由して動画を配信する特設イントラネット/インターネット放送局「WTV」を見学して、展示会場へと向かった。



■展示会場へ

POD

 展示会の会場では、POD(Pedestal Operation Domain)の説明を受ける。これは、バックボーンおよびリブネットワークを構成する19インチラック群で、NOC内を含めて全部で22個所に設置されているとのこと。

 次に訪れたのはNOCのブース。中に入ることはできないが、ガラス張りになっており、センター内に設置された「NOCPOD」などを見ることができる。NOCPODは、会場全体を総合的に接続し会場外のインターネット網への接続をする役目を果たす。まだ日本に1台しかない機器もあるとのことだ。


■Network Service Centerとは

Network Service Center

 展示会場内で最後の場所は「Network Service Center」。ここは、会場内のネットワークに起きたトラブルに対処するための施設だ。

 ここでは、トラブル発生の連絡を受けるとチケットを発行して、そのトラブルに対処できるNOCの担当者に渡される。チケットにはトラブルの場所や状況などが示されており、担当者はただちに復旧作業に取り掛かれるというしくみだ。また、発生から処理終了までの状況をすべて記録しているとのこと。

 このようなトラブル対処の手法は、'80年代末に通信販売業者のカスタマーサービスや航空機会社の修理管理システムなどが発祥だという。



■最後にQ&A

 ツアーの最後は、ブリーフィングルームでの「Q&A」だ。ここでは、会場内で気が付いたことや疑問に思ったことを質問できる。今回参加者からは「機材が昨年に比べて少ないのではないか?」という質問がでた。それについては、「今回機材は、日本国内だけの使用で海外に持っていく必要もないので、シンプルな構成になった」「機材を収めるラックも含めて製品事体が非常にコンパクトになった」との答えだった。 また、ShowNetについては「大規模でさらにマルチベンダーでGigabitのネットワークを組めるところはほかにはなく、新しい技術を実証するのには絶好の機会だ」とその意義を語った。


■まとめ

 ツアーは、例年「N+I」で行なわれている人気の企画。ネットワークの新技術について、ポイントを実際に訪ねながら専門家の説明が聞ける。ネットワーク技術に関心のある人は参加して決して損のない企画だ。

 なお、ツアーは日に数回実施、当日受け付けのみとなっている。また、抽選に当たる必要もあるが、是非参加を申し込んでみよう。

('98/6/4)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp