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■URL
http://www.mabikai.mbc.ntt.co.jp/combase/
(ComBaseホームページ)
カードを差すだけでインターネットに接続でき、電子メールが読める、キオスク型(電話機型)マルチメディア情報端末「ISDNステーション
ComBase」の実用化実験が開始された(5月18日号参照)。編集部でもモニターに応募してみたところ、無事当選!
カードが届いたので、さっそく体験することにした。
現在実験端末は、現在都内2カ所に置かれている。東京都千代田区のニューオータニガーデンコート3Fにある「ガーデンコートオカムラショールーム」と、東京都港区にあるマクドナルド赤坂見附店の2Fだ。今回は、編集部から比較的近いニューオータニガーデンコートに行くことにした。
出かける前に、ひとつやっておきたいのがComBaseアカウントへのテストメールの送信だ。やはり自分が送ったメールが届くか、ちゃんと確かめたいもの。ちなみに、端末から「今××からです」などと友人にメールを出したくても、任意のアドレスには送れない。「受信」と「返信」しかできないのだ。
そこで、実験を兼ねて編集部の数人に送ってもらうことにした。が、さっそくトラブル発生。メールを送っても、エラーが返ってくるばかり。事務局に確認したところ、モニター当選の通知に書かれていたモニター用アドレスが一部間違っていたとのこと。実験用のアドレスを利用するモニターは、再度確認したほうがいいだろう。
ショールームの入口を入って見渡すと、すぐ「ComBase」と思われる端末が目に入る。赤いせいか、遠くからでも意外と目立つ。さっそく端末を見てみると、思ったよりコンパクトだ。大きさは、一体型パソコンより少々小さめ。端末の表面は、厚さ数センチの赤い円形のパネル。テンキーなどの操作キーと、中央にザウルスほどの大きさの液晶ディスプレイが埋め込まれている。見た目はスッキリしていて、コンビニにあるマルチメディア端末のような重たさはない。好みは分かれそうだが、円形パネルの一部が受話器になっており、なかなかおもしろいデザインだ。
まずは、端末のメニュー画面から、「電子メールの受信」を選択する。ICカードを差し込み、お金(10円玉または100円玉)を入れる。すると、自動的に接続され、10数秒で電子メールの受信一覧が現れた。受信も時間がかからず快適。このICカードは、あらかじめカード内にIDとパスワードが記録されているため、まったく操作することなくカードを差し込むだけでインターネットに接続できるのだ。ちなみに料金は1分10円。
メールの中を見たい場合は、一覧の中から上下左右の選択ボタンを押し、「決定」ボタンを押すだけ。確かにこれはカンタンだ!
しかし、いくつかの操作を試みたが、画面ごとのスクロールはないようだ。長い文章だと、ボタンで一行づつ送っていくのは辛いところだ。なお、受信できるメールは50通までとのこと。
届いたメールに対する返事には、定形文を利用する。「本件、了解致しました」などのビジネス向けを中心とし、21種類が用意されている。中には「夕飯、要りません」という家族向けの定形文もあった。これらのリストの中から、好きなものをいくつでも選んで「決定」ボタンを押せば送信できる。もし、この中には伝えたい用件がないという場合は、ボイスメールを送る手もある。とはいっても、難しくない。「音声」を選び、受話器をとって喋るだけだ。4秒または8秒の録音ができる。試したところでは、喋ることをしっかり整理しておかないと4秒は一瞬。8秒ぐらいがよさそうだ。
ボイスメールは、相手には、WAV形式のファイルで送られる。4秒で32KB、8秒で64KB程度。音声はなかなかクリアだ。もちろん、定形文と音声を同時に送ることもできる。めんどうな時はボイスメールだけで返事するのもよさそうだ。
このほかにも、IrTran-P対応のデジタルカメラを使えば画像の送信ができるほか、IrDA(赤外線通信)でノートパソコンなどからインターネット接続もできるとのこと。
端末に向かってIDやパスワードを打ち込むのはめんどうなもの。カード一枚で接続できるのは、小さな子供でも利用できて便利だろう。その反面、落とせば誰でも使えてしまう恐さも合わせ持っている。利便性と相反するため常に難しいところだが、実用の際にはやはりキャッシュカード程度の暗証番号は必要かもしれない。
また、通常の公衆電話と同様に、料金をその場で支払えるのは便利だが、テレホンカードに対応していないのは非常に不便。100円ではもちろんおつりはでてこないし、かといってそのために10円玉をたくさんもって歩くのもめんどうだ。
なお、実験専用メールアドレスを利用しているユーザーの場合、「ComBase」以外の端末では専用アドレス宛のメールを受信できない。40カ所に設置するとのことだが、現在はまだ2カ所。実際に使えるか実験するのであれば、早く台数を増やしてほしいところだ。
('98/6/16)
[Reported by junko@impress.co.jp / yuno@impress.co.jp]