ネットワークアソシエイツ株式会社主催のセミナー「Net Tools Secure Conference」が23日、都内で開催され、PGPの開発者として知られるフィル・ジマーマン氏が基調講演に登場した。
同氏はまず、郵便、電話、電子メールのいずれの手段を用いたとしても、程度の差はあれ、それが他人に傍受される危険性があると指摘。とりわけ政府による傍受を防ぎ、抑圧に対抗するために作ったのがPGPなのだという。
また、PGPのような強力な暗号技術に対してしばしば浴びせられる、犯罪目的で利用される危険性の指摘について、同氏は「今まで色々と話し合ってきたが、今のところそれに対する回答は見つかっていない。しかし、犯罪者の手により命を失った人の数より、ヒトラーやポルポトのような独裁者(政権)により殺された人の数の方が多い。暗号技術の利用を制限することが、必ずしも得策とは言えない」と語った。
このほか、3年間にわたる連邦政府による同氏に対する取り調べや、米国の輸出規制の網をかいくぐるために、ソースコードを紙にプリントアウトして米国外に持ち出したという有名なエピソードが、同氏の口から紹介された。
('98/6/23)
[Reported by yuno@impress.co.jp]