■URL
http://www.visa.co.jp/digital/cash.html
http://www.visa.co.jp/digital/monitor.htm(モニター募集ページ)
ビザ・インターナショナル主導のコンソーシアム「渋谷スマートカードソサエティ(SSS)」が、ICカードによる電子マネーやクレジットカードの実験を渋谷で16日からスタートする。SSSは、ユーシーカードなど大手クレジットカード会社10社、東京三菱銀行など大手銀行9社、信用金庫1社、メーカー25社、計46社による。
先にカード会社のカードの実験を開始し、9月7日から銀行などのカードの実験を開始する。実験は来年10月まで行なわれ、その後は実用化に入る方針。
今回の実験では、渋谷駅から半径1キロ以内の百貨店、飲食店、ショッピングセンターなどに利用端末を設置し、電子マネー「VISAキャッシュ」やICクレジットカードの有効性を検証する。スタート時には東急ハンズなど約700店が対応し、順次増やしていく。
これまで行なわれてきた同様の実験に比べて使える店舗が圧倒的に多く、種類もデパートからファーストフードまでと幅広い。これならば、実験参加者も増えそうだ。
9月からはVISAキャッシュが利用できる自動販売機を設置して、最終的には2,000台規模の利用端末を設置する方針。なお、現在VISAキャッシュが入金できるロード機は、渋谷109など14カ所に設置されている。すでに行なわれている神戸の実験を基盤にしているため、神戸の電子マネー「VISAキャッシュ」と互換性がある。
発行されるカードは、プリペイドカードのような使い捨て型、繰り返し利用できるリローダブル型、IC内蔵キャッシュカードとVISAキャッシュの一体型、IC内蔵クレジットカードとVISAキャッシュの一体型の4種類。これらのカードは各銀行や各カード会社が発行する。発行枚数は合計10万枚以上を予定しているとのことだ。
なお、VISAキャッシュはカードを割ってしまったなど、万が一の場合も残高が保証される。ただし、紛失してしまった場合は残高の保証はされない。
実験開始に先駆けて実際に数店舗で利用してみた。確かに、数百円の小物を買う場合やコーヒー一杯を飲む場合、小銭を出すよりもカードを一枚出すほうが楽だ。しかし、店員が慣れていないためか、試した店舗では少々時間がかかることもあった。また、ショップによってはPOSレジとVISAキャッシュの端末が連動していないため、2度レジを打つことになるところもあるようだ。となると、店側の負担も大きそうである。
参加店の一つである、ドトールコーヒーショップの店長は、「確かに二度手間になるところはめんどうで、今後の課題。小銭が多い業界なので、お客が便利になればと思っている。また、ノベルティ的な販売促進につながることも期待している」と話していた。
('98/7/15)
[Reported by junko@impress.co.jp]