【ソフトウェア/レビュー】

メッセージ受送信ソフト「PAL」vs.「ICQ」

■URL
http://pal.excite.co.jp/pal/(日本語版)
http://talk.excite.com/communities/excite/pal/home/(英語版)

 最近、Mirabilis社の「ICQ」をはじめとした、気軽にメッセージをやりとりできるソフトが人気を集めている。しかし、ICQはこのところサーバーの調子が悪く、リアルタイムにメッセージを送れるはずが相手に届かなかったり、届くまでに時間がかかったりと不安定だ。ICQのヘビーユーザーは、同様の機能を持ち、かつ安定しているソフトを模索している。

 先日お伝えした、エキサイトの「PAL」(本誌7月18日号参照)もICQと同様にメッセージをやりとりできるソフトだ。単に機能を比較すると、ステータスの選択肢もまだ少なく、FTP機能など足りないところもあるが、日本語でのチャット機能など、ICQにはない魅力的な点も多い。

 「PAL」サーバーへのログインは、電子メールアドレスと自分で決定したパスワードを打ち込む。友人をユーザーリストに登録するときも、専用の番号は必要なく、電子メールアドレスが分かれば簡単に登録できる。ただし、ユーザーの検索はできない。

 インターフェイスは、ウインドウの上半分に送ったメッセージのログが表示され、下半分が入力するスペース。メモを送り合う感覚のICQと違い、どちらかといえばIRCなどチャットのような雰囲気だ。ただし、ログはとれない。

 やはり、特筆すべきは日本語でのチャット(会議)が可能なところだろう。二人のチャットはもちろんのこと、複数人でのチャットも可能。メンバーの追加は、自分のコンタクトリストからチャットウインドウにドラッグアンドドロップするだけだ。これまでICQでやりとりした後にWebのチャットサービスやIRCなどを使っていた人には、嬉しい機能だろう。

 ユーザーリストをプライベートとビジネスといった具合に、自分の好きなグループを作って分けられるのも便利だ。ICQでは、友達も取引先の人も同じ一つのリスト上に並べられてしまう。なお、ユーザーリストには、オンラインにいる人だけを表示させられるほか、あるグループのリストを隠すこともできる。細かいところで便利だ。

 また、ベーシックなところだが、日本語版が用意されているため、メニューもヘルプ(WWW版)も日本語で見られる。パッチをあてなくても、日本語版を選べばよいので便利。ちなみに、日本語版は現在のところWindows 95/NT版のみだが、英語版にはWindows 95/NT、Windows 3.1、Macintosh PowerPC、Macintosh 680x0の4つのバージョンが用意されている。ぜひ、日本語対応のMacintosh版も欲しいところだ。なお、残念ながら、英語版と日本語版とはデータベースが違うらしく、メッセージのやりとりはできない。

 冒頭で、ICQのサーバーの不安定さを書いたが、原稿を書いている途中でPALのサーバーも利用できないことがあった。ICQの不安定さは、ユーザーが爆発的に増えたことが大きな要因。PALもその点が懸念される。

 今のところ、ICQのほうが細かい点で圧倒的に機能が高い。Macintosh版も用意されている。また、先行しているだけあり、「ホワイトページ」などユーザー同士のコミュニティ広場も多数あるので、現状ではまだICQが有利だろう。ICQには、Windows版とMacintosh版の機能に大きく差があるが、PALがそこをどの程度埋められるかも大きく影響してくるだろう。始まったばかりのこのサービス、今後どうなるのか興味深い。

('98/7/23)

[Reported by junko@impress.co.jp]


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