電気ポットが独り暮らしのお年寄りを見守ります―。象印マホービンは電気ポットの使用状況をモニターして自宅にいる高齢者の安否を確認するシステムを、来年度中に発売する。
お年寄りは1日に何度かお茶を飲む習慣があることに着目し、プライバシーに配慮しながら安否が確認できるシステムを開発した。
電気ポットは日常生活で気軽に使われるため、「監視されている」とか「生活をのぞき見されている」といった不快感を与えず、お年寄りのほうにも抵抗感が少ないのが特徴だ。
システムは、お年寄りが電気ポットの電源を入れたり、給湯ボタンを押したりすると信号が家庭内の電気配線に流れる仕組み。この信号を部屋に設置した通信端末に記録し、朝夕2回、電話回線を通じて自動的に在宅支援センターなどのコンピュータに送る。ポットが全く使われないなど、異常があれば直ちにボランティアや医師が訪問して安否を確認する。
システムの価格は未定。ポットは特別注文品になるが、電話は使用中のものが使える。設置後の費用も1日2回の電話料金だけと安いのが利点だ。
現在、東京都豊島区と札幌市、福岡県大牟田市、大阪府四条畷市の4カ所約50軒で実験中で、大きな問題はないという。
('98/8/18)
[Reported by masaka@impress.co.jp]