民間の立場から政府に政策提言している日本国際フォーラム(会長・今井敬新日本製鉄会長)は24日、「情報革命時代における世界と日本」と題する提言をまとめ、小渕恵三首相に提出した。すべての学校でインターネットへの接続を可能とするほか、安い通信料金制度を導入するよう主張している。
提言は、米国が通信と放送の自由化を実現し「新世代情報通信企業」の参入で情報通信分野が活況を呈しているのに対し、日本では逆に、インフラ整備の遅れなどでパソコンやインターネットの普及にブレーキがかかり、情報化の頭打ち傾向が顕著になっていると指摘。情報社会へ移行するための政策が早急に必要だとしている。
政策の具体例としては「すべての学校に光ファイバーをひき、すべての教室でインターネットに接続できる道を開く」ことを提案。米国は2000年までにすべての学校でインターネット接続を可能とする政策を進めていることを挙げ、教育現場の日米格差を埋めるためにも教育面での情報通信インフラの整備を求めている。
また、通信と放送の区別や、自前の設備を持つ第一種電気通信事業者と設備を持たない第二種電気通信事業者との区分など、情報通信業界の新しい動きを阻害するような「垣根」を取り払う改革を進めるべきだとしている。
さらに、企業や国民が通信網を手軽に活用して知識を得られるよう、定額制を基本とした安い通信料金制度の導入を提案している。
('98/8/24)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]