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http://www.sharp.co.jp/sc/eihon/nc10/text/index.html
シャープ株式会社は2日、電話、FAX、電子メール、Webブラウジングが1台でできる「液晶マルチメディアホン(NC-10)」を10月15日より発売すると発表した。子機が1台付属し、価格は15万円(税別)。7.7型のVGAカラー液晶タッチパネル(DSTN)を搭載し、ほとんど全ての操作をこの上でできるようになっている。
電話機能はナンバー・ディスプレイに対応しており、電話がかかってきたところで、過去の通話で残した手書きメモをワンボタンで取り出すことが可能。酒屋のような個人商店で過去の注文を確認するなどの利用法が考えられるという。また、ザウルスなどとIrDA経由でデータのやり取りができるアドレス帳が利用できるほか、最大500件の通話履歴を残しておくこともできる。
このほか、画面上で送受信が可能なペーパーレスのディスプレイFAX機能も搭載されている。ただし、プリントアウトするには、別のFAX機をモジュラーで接続し、そちらに出力する必要がある。
電子メール機能で便利なのは、あらかじめ設定しておいた時刻に自動的にダイヤルアップし、受信メールをダウンロードしておいてくれるところ。通信速度は33.6kbps。留守番電話やFAXの受信件数と並んで、何通のメールが届いているのか確認することができる。1件800文字程度のメールなら最大200通の蓄積が可能だ。ただし、複数のアドレスを切り替えて使うことはできない。
メールの作成については、ソフトウェアキーボードも搭載されておりテキストの編集も可能だが、手書きのメモやIrTran-P対応のデジタルカメラから吸い上げた画像を添付して送る、というのがシャープが想定した使い方のようだ。
Webブラウジング機能については、HTML 3.2、GIF、JPEG、WAVといったフォーマットに対応している。株価情報や日替わりレシピなど、最大5つのサイトを特定の時間に自動巡回させておくというオートパイロット機能も搭載されている。ただし、オンラインバンキングやショッピングなどで利用されるSSL機能は搭載されていない。
ハードウェア的にはPCMCIAのカードスロットがあり、ATAフラッシュメモリカードを利用しメモリを増設することも可能となっている。これにより住所録を拡張することができるほか、Webデータのキャッシュとして利用し、回線を切ってオフラインブラウジングすることも可能となる。残念ながら搭載されているプログラムをソフトウェア的にアップグレードすることはできないので、拡張性はイマイチだ。
インターネット関連の機能を利用するには各自プロバイダーとの契約が必要になるが、OCN、ODN、InfoWebのオンラインサインアップ機能も搭載されている。
シャープでは、月産3,000台でスタートし、最終的には年間40万台の販売を目指しているという。
('98/9/2)
[Reported by yuno@impress.co.jp]