株式会社NTTデータは3日、「ANSER-WEB」を来年春を目処に大幅に機能拡張すると発表した。
ANSER-WEBは、同社が金融機関向けに提供しているインターネットバンキング業務サービス。昨年11月より残高照会等の照会業務が商用化されており、現在、77行庫の参加の下、振込等の資金移動の実験が行なわれている。
同社は、この資金移動業務サービスを来年3月より商用化する。各自が銀行と契約することで、Webブラウザー上で振込や振替を24時間利用できるようになる。将来的には、住所変更届けや定期預金口座の開設、投資信託などへの対応をはかっていくという。
また、同社はこれと同時に、株式の注文から決済までをパソコン上で可能にする「ワンストップ金融サービス」を来年4月より開始する予定であることを明らかにした。
利用者は、Web上で株式を注文し、ANSER-SPC経由で証券会社の指定口座に約定金額を振り込む。この一連の作業を、マイクロソフトの「マネー」などを使ってシームレスに行なうことができる。同ソフトを利用すれば、株価のシミュレーションや資産管理なども一括して行なえるという。
さらに同社は、NTTドコモが今年12月スタートを予定している携帯電話によるバンキングサービスもサポートしていく。端末自体は11月頃に出回る予定で、残高照会、入出金明細照会サービスが提供されることになる。将来的には、株式の注文確認等もできるようにしていくという。
過去2年間にわたりインターネットバンキングの実験を行なってきた同社だが、そのニーズは大きく、特に物販よりも金融サービスの拡充が必要であるという結論に達したという。また、携帯電話を使ったモバイルバンキングについても、77%が利用したいと回答したというアンケート結果を紹介し、サービス提供を決意するに至った経緯を説明した。
投資信託などの金融サービスの提供を可能にするには金融機関との調整が必要なため、今年4月に同社が設立したANSER-APIコンソーシアムの中で関連各社と共に新しいプロトコルを開発していく。来年上期を目処にその仕様を固めたいとしている。
('98/9/3)
[Reported by yuno@impress.co.jp]