NTTサテライトコミュニケーションズは9月3日、同社が提供する衛星通信サービスの概要を明らかにした。1契約あたり最大1Mbpsの高速下り回線を提供するインターネット接続サービス「MegaWave」を12月1日に開始する。受信アンテナなどをSKY PerfecTV!と共用できるのが特徴で、当面の間、月額4,000円の固定料金で提供する。
MegaWaveでは、衛星のトランスポンダー1台あたり約30Mbpsのデータ伝送が可能で、利用状況にもよるが、スループットは500kbps~1Mbps程度となる。すでにSKY PerfecTV!に加入しているユーザーは、受信アンテナとチューナーが共用可能。3万円程度のPCIバス用拡張ボードを介してパソコンとチューナーを接続する。このほか、チューナー一体型の受信キットも6万円程度で発売される。いずれもWindows 95対応で、Macintosh用は検討中。受信キットはソニー、NEC、アイ・オー・データ機器などから発売されるほか、来年にはボックスルータ型の製品も投入される。
サービスは当面、月額固定の4,000円で提供されるが、来年にも定額制と従量制の併用型へ移行し、一定量以上の利用には1MBあたり40~50円を課金する予定だ。この理由について、永井裕・NTTサテライトコミュニケーションズ取締役副社長は「このサービスを利用した2次プロバイダーなどを防止するため」と説明。ただし「一般的な利用なら、(使い放題の感覚で使っても)定額料金内に収まるような料金設定にする」としており、新しい料金体系については、サービス開始後、利用状況を見ながら検討していく考えだ。
また、NTTサテライトコミュニケーションズでは、衛星インターネットサービスを利用したコンテンツ戦略も展開する。同社のNOC内にサーバースペースを設け、コンテンツプロバイダーへのホスティングサービスなどを行なう。現在、ソフトウェアのダウンロードサイトやストリームコンテンツ配信サイトなどと交渉中だという。また、従来の回線ではクオリティ的に有料化が難しかった映像や音声のストリーム配信などでは、衛星インターネットの高速回線でその問題も解決できるとしている。同社ではコンテンツ課金の代行サービスも計画中だ。
このほか、NTTサテライトコミュニケーションズでは、企業向けのMPEG映像伝送サービス「MegaWave Pro-V」を9月に、同じくIP伝送サービス「MegaWave Pro-IP」を10月に開始する。
('98/9/3)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]