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【業界動向】

独情報産業で技術者争奪戦

 失業者が400万人を超えるドイツで、情報通信産業の技術者や専門家が数万人不足し、報酬つり上げによる企業間の引き抜き合戦が過熱している。

 インターネットなどマルチメディア分野の急拡大に加え、'99年の欧州単一通貨ユーロの導入やコンピューターの西暦2000年問題に伴う対策からソフト、ハード両面で需要が急増しているためだ。

 ドイツ政府によると、同国のマルチメディア関連企業は現在、約900社。就業者数は年々増加し、既に120万人を超えたという。

 うち3社に1社が事業拡大に向けて大幅増員を計画。ヘッドハンターが毎日、電話をかけて候補者をあさっているが、適切な人材はなかなか見つからないのが実情だ。

 例えば、ドイツ最大のソフト会社SAPは今年上半期に1,300人を雇用したが、年内にあと2,000人の技術者や専門家が必要。上半期に1,000人雇ったIBMドイツも年内にあと1,200人探すという。

 フランスや米国のシリコンバレーにまで触手を伸ばす企業もある。この結果、報酬が2倍以上に跳ね上がるケースも多いという。

 ブームを反映し、大学では情報工学などを志す学生がにわかに増えている。専門家の間からは「ユーロ導入や2000年問題が片付くと、再び余剰人員が発生する恐れがある」と警戒する声も出ている。

('98/9/10)

[Reported by masaka@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp