インターネットを使った証券業への参入を予定しているソフトバンクは2日、子会社のイー・トレード株式会社を通じて、中小証券の大沢証券を買収することで、同証券の全株主と合意した、と発表した。
イー・トレードは、米国の大手オンライン証券会社E*TRADE社との合弁会社。同社は大沢証券の持つ証券業免許と東京証券取引所の会員権を取得し、年内にも営業を開始する。
一方の大沢証券は、東京都と埼玉県内に6店舗を持ち、従業員は約100人。ソフトバンクは大沢証券の発行済みの全株式を取得する。
イー・トレードは米国で爆発的に普及してきた、店舗などをほとんど持たずインターネット上で株式売買の仲介を行う手法を、日本に本格的に導入する。コストが安く済むため、株の売買手数料が'99年中にも完全自由化されるのを待って、手数料を「現行の半額以下」と大胆に引き下げ、一気に個人投資家の獲得を狙う方針。
ソフトバンクでは、証券取引法に基づく免許及び東京証券取引所における会員権の早期取得が設立以来の課題となっていたが、大沢証券の買収により早急に本格的な業務を開始できる、としている。経営の効率化を図り、インターネットトレーディングシステムやIVR(自動音声応答システム)の導入、コールセンターの設置など、営業基盤の構築を進めていく。
('98/10/2)
[Reported by yuno@impress.co.jp]