■URL
http://www.emory.edu/WHSC/HSNEWS/releases/oct98/101398bakay.html
脳の信号で直接カーソルを動かす。そんなSFの中の世界のような話が現実のものとなろうとしている。
この研究は、米国Emory Universityの神経外科医Roy Bakay博士と同僚の神経生理学者のPhilip Kennedy博士によるもの。健常者ではなく、ルー・ゲーリック病のような病気によって意志の疎通を図ることが難しくなった患者に対し、実験的に行なわれているという。
実験では、脳の皮質にガラスで覆われた神経生理電極を埋め込む。数週間経つと電極は大脳皮質に覆われて、脳の中のニューロンが信号を発するとそれを捉えられるようになる。患者は訓練を積むことでその電極につながれたコンピュータ内のカーソルを動かして、外部の人間と意志の疎通を図ることができる。現在、アトランタの病院に入院している1人の患者は全く動くことができないが、訓練を積むことによって画面の中のカーソルを上下に動かして意思を伝えることができているのだという。
この技術について、Bakay博士は「この進歩は、脳幹に傷を負ったり、ルー・ゲーリック病にかかったりして、動いたり話したりする能力を奪われた患者に多大な機会を開くことになる」と話している。
('98/10/22)
[Reported by Taiga Aoki]