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http://pr.info.ntt.co.jp/news/news98/9812/981217.html
NTTは12月17日、2月から12月10日まで実施されたxDSLフィールド実験の結果を報告し、今後の予定を発表した。その中で、'99年第3四半期に、ADSL試験サービスを有料で実施する予定を明らかにした。
まず、実験結果によると、下り回線速度を500kbpsとした場合、局舎から2.5km以内では全てのモニターに提供可能で、2.5~5kmでは回線条件による一部を除けば提供可能という。一方、1.5Mbpsとした場合、1.5km以内では全てのモニターに提供可能だが、それ以上は提供できない場合が多いという。
また、米国で主流になりつつあるG.lite規格のADSLモデムを、ISDNからの影響がある日本の回線で使用した場合の理論値も示し、G.lite Annex-Cでは米国内よりパフォーマンスが落ち、G.lite Annex-Aではさらに低下が著しいと説明した。
この実験を受け、NTTではインターネットサービスプロバイダー(ISP)接続のアクセスラインとしてADSL(G.lite Annex-C方式にスプリッターを使用)を使う試験サービスを、有料で実施する。開始時期は'99年第3四半期を予定。回線速度は下りが500kbpsまで、上りが200kbpsまでに制限する。
ただし、対象地域は東京・大阪の一部で、5~10収容局程度に限られる。
ADSLモデムはNTTより提供され、ユーザーはそこにケーブルを接続して利用する (10Base-Tなどを検討)。ADSLモデムを自分で用意してつけかえるといったことはで きない。
NTTのOCNに限らず他のISPにも接続点を開放するが、ISPのNTT接続点が他収容局の場合にはADSL局内装置からISPの接続点までの回線使用料は別途必要となる。回線品質などによっては下り500kbpsの回線速度が確保できない場合もあるが、その場合の処置などはこれから検討する。
NTTではこのサービスをADSLとしてでなく、あくまでも「(下り)500kbpsの回線サービス」として位置付けている。そのため、NTTが推進する光ファイバー化によって、ユーザーから収容局の間が光ファイバー化された場合にも、ユーザーには回線の種類が変わったことは関係なく、光ファイバーの上でADSLサービス相当の500kbpsの回線を提供する考え。料金については検討中だが、回線速度と同様に「OCNエコノミー(128kbps)とスタンダード(1.5Mbps)の間で考えている」と語った。
('98/12/17)
[Reported by masaka@impress.co.jp / 金丸雄一]