【連載】
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 ニュースや雑誌に頻繁に登場する国でも、その生活事情やIT事情は案外知られていないものです。あまりなじみのない国だったら、なおさらです。この連載では、世界各地にお住まいの方から、生活者の視点で見たインターネット事情や暮らしについてレポートします。

第14回 100ドルでネット接続します ~コスタリカ~

イラスト・Nobuko Ide
 今回はコスタリカのインターネット事情について。
 コスタリカには現在、国営のプロバイダーが1つ、そしてケーブルテレビ会社2社がインターネット接続サービスを行なっています。ケーブルテレビのサービスは地域が限定されており、また料金の方も国営プロバイダーに比べて高額なため、まだまだ一般的ではありません。割高な理由の1つに、ケーブルテレビ会社が客から得る収益から結構なパーセンテージを国営プロバイダーにコミッションとして支払うという事情があり、それでどうしても高額になってしまうようです。国営プロバイダーの独占とまでは言いませんが、まあそれに近い状態ですね。
 国営プロバイダーとの契約も“オンラインサインアップ”などというシステムはなく、プロバイダーまで出向き、必要書類に記入し、クレジットカードと身分証明書のコピーとデポジットを収め、そして使用開始は3日後、といった感じです。

●“良心的でしょう?”

 プロバイダーと契約した際、popサーバーやsmtpサーバーなどの設定を尋ねたら、1枚の紙をくれました。そこには多くの人の名前と電話番号が掲載されていました。聞くと、彼らは接続に関するアドバイスをしてくれるとのこと。なんて親切なんでしょう。家に着いてから早速電話をすると、その人たちはこう答えました。

「うんうん、設定ね、なかなか難しいんだよね、ええと、我々の接続設定料金は100ドルです。良心的でしょう?」
 なんと国営プロバイダーはサポート会社を紹介しただけだったのです。おいおい、なんてやる気のないカスタマーサポートなんだろう。
 設定ごときに100ドルも支払うつもりのない私は、知り合いにサーバー名などを教えてもらってセッティングしたのですが、どうしても上手に行なわれません。何時間も格闘した後にプロバイダーに質問の電話をかけたところ、新たな電話番号を教えてくれました。オペレーターのお姉さんに(お姉さんかどうはは未確認だが、声の感じから若い女性と想像)、可愛い声で「そこに電話して聞いてね♪」と言われたのでその通りにすると、なんと別のサポート会社でした(笑)。
「うんうん、設定ね、なかなか難しいんだよね、ええと、我々の接続設定料金は30ドルです。良心的でしょう?」
 おいおい、さっきの会社は100ドルだったのに今度は30ドルかよ? 仕方がないのでそれで手を打つことにしたら、なんと1週間後でないと来られないとのこと。最後の手段で、あまり仲の良くないPCに詳しい人に助けてもらうことにしました。あまり仲が良くないのでこんなことで借りを作りたくなかったが、この際仕方がない。約束の時間より3時間遅れて彼は現れた。しかし、彼も設定ができない。仕方がないので彼の友人でさらにPCに詳しい人の家に行くことになりました。そこであっさり
「これ、たぶんアカウントかパスワードが間違っているよ」…。
 怒り狂いながら、再びプロバイダーのカスタマーサービスに電話をかけました。先ほどの可愛い声のお姉ちゃんが出ましたが、今回は「どんなに可愛い声で話されても、断固とした態度でいくぞ!」と決心してからの電話だったので、強気の攻防です(笑)。
 オペレーターのお姉さんに「お前から紹介してもらったサポート会社が、アカウントかパスワードが間違っていると言っていたぞ!」と、怒り気味の口調で言うが、向こうは動揺する様子もなく、「アカウントとパスワードを確認しますので言ってください」。私は“おいおい、電話なんかでパスワードを言っていいのかよ?”と思いながらも、相手の指示に従うと、
 「あらら、三番目はFってなってるの?それ間違いよ、本当はYです。きっと誰かが間違えたのね。じゃあ、正しいパスワードを言うから控えてね♪」
 おいおい、そんな重要な事を間違えるか? それにな、パスワードなんて電話なんかでおいそれと言っても良いのかよ? もし俺様が悪者で他人のパスワードを盗んで悪用しようとしたらどうするんだ? …と思いながら、それを言ってしまうと会社まで出向いてくれなどと面倒くさいことを言われそうだったのと、お姉さんの声が可愛かったので、何も言わずに相手に従う。それで設定するとあら嬉し、インターネットができるようになりましたとさ。「設定に費やした私の数時間はなんだったの?」と悲しみと怒りに震えるのだが、どうにもならないので諦めました。

コスタリカ国営プロバイダーのサイト。あっさりしてます こちらはCATV会社。初期費用の高さもネック?

●ランチタイムはネットもスカスカ

 ええと、本題に戻ります。
 電話回線で接続した場合、時間帯にもよりますが、平日の8:30から12:00、13:00から19:00は、なかなか受信バイトが上がりません。結構混み合ってるわけです。
 ここで面白いのが、12:00から13:00のランチタイム。トラフィックが急に少なくなります。これはコスタリカ人、「折角の昼休みなのに、オフィスでコンピューターなんかいじってられっか!」ということなのかどうか知りませんが、多分そんなとこでしょうね。この辺がラテンチックでとってもよろしい!

 コスタリカでは、PCはまだまだ高額なもので、日本での販売価格の1.5倍から2倍はします。なので家庭でインターネットというのは一般的ではなく、たいていがオフィスやインターネットカフェ、大学などで楽しむようです。
 大学のPCルームは、その大学に通う学生に対しては無料です。しかし、学生以外の人でも料金を支払えば使用できます。料金設定がインターネットカフェより安いので、いつも超満員。一方で、インターネットカフェも大繁盛。どんどんオープンしています。料金は店によりますが、大体1時間120~200円くらいで、サンホセ市内中心部には日本語ソフトをインストールしてあるPCを多数揃えてあるカフェも存在します。

 なお、そういう場所ではポルノサイトを覗くという行為は難しいらしく、「いつの日かは自分のPCを買って、家でエロサイト巡りをしてやるぞ!」と目標を掲げる人も少なくないと聞きます(ホンマかいな?)。しかし!美人の多いコスタリカ。行くところに行けば、日本のモデル雑誌に掲載しているような金髪碧眼巨乳尻豊満十八歳女子と20ドルくらいで“むふふ的”なことができるのに、なぜ高額な投資をしてまで女体が見たいのかが理解不能。しかしVHSビデオ等がアダルト物を見るために急激に普及したのを考えると、はやりエロエロというのは物凄いパワーを持つのかなあと、わけのわからないことを考えるアホな俺(笑)。
 そういうわけで(どういうわけだ?)、今回はコスタリカのインターネット事情をご紹介しました。アホアホな文を最後まで読んでくれてありがとうございました。また今度!

コスタリカのインターネットカフェ 店内はこんな感じで、結構明るめ。これではエッチなサイトは開きにくいかも…?

◎執筆者紹介◎
カセ・カズキ  1973年生まれのO型、牡羊座。初めてのコスタリカ訪問は1995年、某電気会社の海外出張でした。その時からこの国に魅入られ、その後何度も旅行した後、1997年に退職してコスタリカに住みついてしまいました。大学生や某機関の事務員などを経て、現在は寿司を売りながら農場を経営している変わり者。妻と超可愛い男の子2人の4人家族です。P.S.「金髪碧眼巨乳腹尻豊満十八歳女子と20ドルくらいで“むふふ的”な事が出来る場所を教えて!」という質問は無視しますのでよろしく!
◎加瀬さんのホームページはこちら

 ◎次回はタイ在住の森田さんが登場します。お楽しみに!

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(2001/12/21)

[Reported by 加瀬和城]


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