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【編集部から】
インターネットといえば、かつてはアメリカ独走の感がありましたが、最近ではヨーロッパやアジアなど、世界各国でインターネットが盛んに利用されています。この連載では、ドイツで暮らしているkajoさん・taogaさんのお二人が、現地の最新インターネット生活をレポートします。
イラスト・Nobuko Ide
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■ドイツでのバレンタイン・デー
先週はバレンタイン・デーでしたね! この日にあまり凝ったことをした覚えがない私だが、日本にいる限り、「あげるかあげないか」の選択権は女性にあり、神経症になりがちな(?)男性陣より優位な気分に浸れる日だったような気がする。昔は「女性のほうから思いを告白する唯一(?)の機会」という意味も含まれていたのだろうが、最近の女性はそんなこと、気にしてないのでは?
さて、ここドイツにもバレンタイン・デーは存在する。でも、この日に国中が翻弄される日本とは違い、あくまで人によりけりのイベント的な扱いなのがここでの印象。熱愛中のカップルはもちろん、長年連れ添った夫婦間でも、男性から女性への愛の証として主にバラの花などを贈るケースが多いようだ。ただ、あくまでその人次第。付き合いが長いカップルでも、これまで一度もバレンタインに彼氏から贈り物などもらったことはないという友人もいるし、日本のように「この機会に告白を」と意気込むようなノリとも違うようだ。まあ、メディアや周囲に左右されず、愛情を示すひとつの機会として、人それぞれの捉え方があるということだろう。
よって、近所の店を見回しても、“バレンタイン・シフト”がひかれているのは花屋とチョコレート屋、それから化粧品・香水売場くらい。男性から女性へ贈られることが多いのも、香水売場の様子から窺うことが出来る。
■ドイツ人も、出会いを求めて苦労する
前にもちらりと触れたことがあるが、ドイツ人は結構、シャイな人たちだ。なかでも北ドイツ、そしてここハンブルクは、例えば友達になるのは簡単ではないが、一度友達としての信頼関係が構築されれば、それは末永い付き合いになると言われることが多い。でもまあ、これって日本でも同じようなところがあると思うのだが。私はこの北ドイツ気質は、決して嫌いではない。
バレンタイン戦線のお菓子コーナー
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■出会い系サイト、ドイツの場合
早速、いろいろな出会い系サイトをチェックしていくと、いかにもなネーミングの「DeutscheSingles」(ドイッチェ・シングルス)を発見。ここは米国の大手出会い系サイト「AmericanSingles.com」の姉妹サイトだそう。検索の際には「男女の別」と「年齢層」しか指定できないため、たいてい500件ほどのデータが出てきて、それを順番にじっくり見極める必要がある。しかし、個人情報がかなり詳細にわたって掲載されており(身体的特徴から学歴、信条、国籍など、ほぼあらゆる個人データ)、さらに自己PR文、相手に望むことなど、自分で書き込むメッセージ欄には最低文字数が決められていて、結構な量の文章を必要とされるので、ここで相手の知的センスも図り知ることが可能だ。試しに私も登録してみるかとやってみたら、文章が短いとハネられてしまい、面倒くさくなって止めたのだった。
よって、お気軽な人には不向きで、そのぶん、信頼できそうな印象がある。気に入った相手へ送ったメッセージは、本人が登録したメールアドレスに転送される。相手にはメールアドレスを知られずに済むが、自分がメッセージを送った場合、こちらのアドレスが明かされる仕組みだ。会員が5万人に達するまでは、総ての機能を無料で利用できるそうだ。
バレンタインに香水をプレゼントしよう! と誘っているようなディスプレイ
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最後に、毎号ショッキングな表紙で私をぎょっとさせてくれる(そのせいで決して買う気を起こさせてくれない)トレンド情報満載の雑誌「AMICA」のサイトはどうだろう。「Single-Guide」ではサイバーデート、Eメールでロマンティック回帰、シングルパーティといったコーナーがあり、リンクも豊富。ガイドとしては最適だ。オマケとしてここには顔文字集もある。ちなみに日本で馴染みの顔文字は、ドイツ人には通じないものが多い。
■ロマンティックな時代に回帰!?
新聞「DIE ZEIT」。こんなお堅い新聞でも個人広告はどっさり
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先に紹介した「AMICA」のコーナーで、「Eメールでロマンティック回帰」というタイトルがあった。手紙からEメールへと伝達手段は変化したものの、ラブレターというものの存在価値が再び浮上したのが、ネットを通じての出会いなのかもしれない。時折、ネットでの出会いを平安時代までオーバーラップさせてしまう私だが、何もそれは日本古来の伝統に限ったことではなかったのだ。不倫や犯罪にも結びつくとも言われるネットの出会いだが、心のこもったラブレターは、例えそれがEメールであっても真心が伝わるものだと信じていたい。私は楽観的すぎるのだろうか……?
そして、ドイツの出会い系サイトに今さらながらアクセスしてみたが、日本よりストレートに情報が提供される環境であっても、こちらもきっぱりした要望を出せば、そんなに危険なでもないようだ。まぁ、私が20代だったなら、もっといろいろな危険と誘惑が降りかかってきたのかもしれないけれど(笑)。
◎著者自己紹介 ドイツに住んでもうすぐ4年(ええっ)。未だドイツ語上級レベルへ達する努力を怠ったまま、日々をドイツ流(?)にのんびり過ごしている。最近になってオペラやバレエ鑑賞と、今更ながら「別のドイツらしさ」を再認識している、ドイツ・ロック畑で働いていたフリーライター。でも心はすでに、4月に新作がリリースされるRAMMSTEIN(ラムシュタイン)。炎満載の熱いステージを体験できるのは、まだ先のことだけど…。 |
(2001/02/23)
[Reported by kajo]