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【編集部から】
インターネットといえば、かつてはアメリカ独走の感がありましたが、最近ではヨーロッパやアジアなど、世界各国でインターネットが盛んに利用されています。この連載では、ドイツで暮らしているkajoさん・taogaさんのお二人が、現地の最新インターネット生活をレポートします。
イラスト・Nobuko Ide
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■自宅で見られるチャンネルは、現在29局
これまでもちらりと触れてきたように、私は1人暮らしである。だから、というわけでもないが、家にいる時はテレビをつけっぱなしにしていることが多い。ドイツ人と暮らしていない分、不足していると思われるドイツ語のヒアリングを、少しでもテレビから習得しようという大義名分もある。
そうこうしているうちに、初めのころは全くわからなかったドイツの有名人や人気番組を、今ではそれとなく把握できるようになってきた。もちろん、無意識とはいえつけっぱなしにしておく局や番組には自分の好みが反映されているし、意識的に見る番組となればかなりの偏りがあるのも確かであるのだが。
1980年代前半までは、ドイツのテレビ局は公共放送のARDとZDFの2局のみだったそう。しかし今では、全国レベルの主な民間放送局だけでもRTL、RTL 2、Pro 7、SAT 1、VOX、Kabel 1、n-tv、TM 3といった局がある。また若者に人気のMTV、VIVA、VH-1といった音楽専門局や、スポーツ専門局のEurosport、それからBR(バイエルン放送局)、HH1(ハンブルク・アインツ)のような各地の地方局、そしてCNNやBBC、NBCといったインターナショナルな放送局も、見ることができる環境にある。CATVの契約が必要なものも、もちろん多いのだが。
私の場合、アパートであらかじめ契約されていたテレビ局が29局と充実していたため、自分で特に追加契約はせずに、満足なテレビ生活を送っている。余談だが、ドイツのテレビには「1チャンネルは**局、2チャンネルは##局…」といったチャンネル割り当てが存在しないため、テレビに自分でチャンネル設定をする必要がある。私は最初にテレビを買って設置した時にそれを知ったのだが、ドイツ生活が私よりも長い某友人は、ついこの前までそれを知らなかった。テレビ番組の話をしていた時、「それ、×チャンネルのこと?」と聞かれたので、思わず嬉しくなって(!?)事実を教え、「ダンナさんにテレビの調節はお任せなんでしょう?」と突っ込ませてもらった記憶はまだ新しい(笑)。
参考までに、10代の教え子たちに好きなテレビ局を尋ねたところ、音楽専門局(特にMTV、VIVA)、Pro 7、RTL 2(ポケモン、デジモン、ドラゴンボールなどを含むアニメの放送でも人気)、VOXと答える生徒が多かった。そして案の定、公共放送を挙げる生徒はごくわずかだった。これ、実は私も結構納得できる意見だ。放送局ごとの主だった特徴や全般的なテレビ番組事情については、次回に触れてみることにして、今回は、ドイツにも存在する類似番組の摩訶不思議についてお伝えしようと思う。
■ドイツ版「しあわせ家族計画」に唖然 ~類似番組がまかり通る不思議
昨年のことだと思うのだが、ある日、華々しく始まったSAT 1のバラエティー番組を見た時に、私は愕然とした。タイトルは「Die Stunde der Wahrheit」(真実の時)。それは3年前、日本に一時帰国した時にたまたま見た「しあわせ家族計画」にそっくりな番組だったのだ。司会者がある一般家庭を訪問し、父親もしくは母親に「ひとつの課題」を提示する。指名された人物はそれから1週間、課題をクリアするために、家族の協力を得ながら奮闘する。その様子を家族の他の者が小型カメラで撮影している。そしてちょうど1週間後、その成果はテレビカメラが回る会場で試され、成功すれば家族それぞれが希望の商品をゲットすることができる。ダメだったらそれで終わり、という内容だった。私はテレビ局関係者ではないから、詳しい権利関係のことは分からない。でもこれ、同じですよね?
これがドイツ版「しあわせ家族計画」
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今年に入って、「BIG BROTHER」の第1回、第2回の出演者が出演するスペシャルということで、たまたま見ることになったRTLの番組、「Familienduell」(家族対抗)。おぉ、これはまさに「クイズ100人に聞きました」ではないか! 番組のサイトをチェックしてみると、番組紹介文に「“私たちは100人に聞きました”--1992年から始まったこの番組は……」と、まさにそのままの説明から始まっている。しかし、日本で「クイズ100人に聞きました」が放送されていたのは、いつ頃からだろう? '92年より前のことだった? さらに、そもそもこの番組のオリジナルが「日本である」とも言い切ることはできないのではないか? オリジナルはアメリカだった、ということもあり得るわけだし。「日本から盗んだでしょ」と言うなら、ちゃんと調べるべきだろうし……。ともあれこんな調子では、ドイツのテレビ番組をくまなくチェックしていったら、もっと類似番組が見つかるのかもしれない。
(※編集部注・米国の「Family Fued」という番組が元祖の番組だそう)
ドイツのテレビ番組が「日本で見たあの番組?」と思わせるものばかりだと、強調したいわけではない。しかし、系列局内で、コンセプトに多少のアレンジを加えてタイトルを変えただけ、という類似番組が正々堂々と存在することも珍しくない。クイズショウがまさにそうだ。RTLは民放でも人気はトップクラスだが、その看板番組のひとつである「Wer wird Millionaer」(百万長者になるのは誰)は、イギリス、フランス、スペイン、そしてインドでも同タイトルの番組が放送されている(これはさすがに正式なライセンスを持っているのだろう)。ここで番組そっくりに構成された各国版を、疑似体験で楽しむこともできる。それは問題ない。しかし、この番組のそっくりさんも幾つかの局で見受けられるし、まるで開き直ったかのように、スタジオセットや問題提示画面のレイアウトが似せてあったりする。例えばSAT 1の「Quiz Show」は、比較的新しいクイズ番組だが、雰囲気はまさに「Wer wird Millionaer」を引き継いでいる。サイトのなかの「Trainingscenter」をクリックすれば、これまたWebでクイズ疑似体験が可能なので、ぜひその「違い」を体験してみていただきたい。
一体全体……、どの局もアイディア不足なのだろうか? 賞金、それを獲得するまでのプロセス、回答条件などの細かな点は異なる。しかし、それだけで容認されてしまうものなのだろうか。
「BIG BROTHER」フォロワー現象は続く
BBフォロワー番組の1つ、「POPSTARS」
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■「トークショウ」ドイツの場合
ドイツ版ジェイ・レノ、「Die Harald Schmidt Show」
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◎著者自己紹介 ドイツに住んでもうすぐ4年(ええっ)。未だドイツ語上級レベルへ達する努力を怠ったまま、日々をドイツ流(?)にのんびり過ごしている。最近になってオペラやバレエ鑑賞と、今更ながら「別のドイツらしさ」を再認識している、ドイツ・ロック畑で働いていたフリーライター。でも心はすでに、4月に新作がリリースされるRAMMSTEIN(ラムシュタイン)。炎満載の熱いステージを体験できるのは、まだ先のことだけど…。 |
(2001/03/09)
[Reported by kajo]