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サオリ姉さんのSurfin'USA
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WWW上で公開されたオクラホマ爆弾事件「告白メモ」 (97/03/05)

オクラホマ爆弾事件の容疑者Timothy McVeigh。弁護側が無罪を主張する状況の下、3月31日の公判が近づき、事件に対する関心がいよいよ高まってきた。そんな中、McVeigh自身が弁護士に語ったとされる「告白メモ」が、2月28日、Dallas Morning Newsによって公開された。

このメモの内容は、McVeighが全面的に犯行を認めたというもので、中には「政府に分からせるためには被害者(Body Count)が必要だった」といった風に、かなり過激な発言も記録されている。

これを、正当なルートで入手したと主張するDallas Morning Newsに対し、弁護側は「スクープ欲しさのでっちあげ」「これほど下等な新聞は見たことがない」などと憤慨している。

と、ここまでは、今まででもしばしばあったこと。今回の問題点は、Dallas Morning Newsが、朝刊が表に出る7時間も前に、WWW上に該当記事を上げていたことだ。WWWでのニュース報道は、その特性を反映し、従来の紙媒体のサイクルとは全く次元の違うものになる。

一方、メディアを警戒する立場の人間にとっては、これまで身につけていた「時計」が役に立たなくなっている。弁護側はさらに、「Dallas Morning Newsがインターネット上にスクープ記事の掲載を行なったのは、掲載の差し止めを恐れた抜け駆け行為」と強い批判を浴びせている。

有料の紙版と無料のWWW版の両方を持つ新聞社にとっては、重大ニュースをWWW版に先に掲載するかどうかはいつも葛藤の種。いくらWWWの速報性を生かすといっても、あまりそちらばかりに力を入れ過ぎては、紙版の購読者に合わせる顔がない。Dallas Morning Newsは今回、WWW上にいち早く記事を掲載したわけだが、このスクープの注目度を考えると、十分に価値があると判断したのだろう。

なお、この「告白メモ」は、被告・弁護士間の会話であるため、表に出たからといっても、裁判で使用されることはない。

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