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「World Flight」を追え! (97/03/31)
1937年3月17日、女性パイロットAmelia Earhartは、愛機Lockheed Electra 10Eに乗り込み「World Flight」を開始した。それまでどんなパイロットも(もちろん男性パイロットを含めて)達成していない、地球一周赤道航路である。愛機の故障・不時着などのトラブルが続出したが、Earhartの飛行への執念はついに「World Flight」を軌道に乗せた。しかし不幸にも全米が見守る中、経由地ハワイの小島付近で、Electra 10Eは突如行方不明となってしまった。
そんな勇気と情熱に満ちたEarhartの一生を綴った書籍・ドキュメンタリー映画は数多く、中でもDian Keaton主演の映画「The Final Flight」はEmmy賞受賞作品として有名だ。
Earhartの離陸からちょうど60年後の1997年3月17日、女性パイロットLinda Finchがカリフォルニア州オークランドから離陸した。Electa 10Eで「World Flight」の航路を全く同じようにたどり、Earhartが達成できなかった夢をかなえようという試みだ。
FinchもEarhartに劣らぬ冒険家で、操縦はもちろん、今回のElecta 10Eも自ら復元したものだという。また、趣味は航空、本業は医療施設のオーナーというから凄い。同じ女性として、なんとも心強い限り。
そして、その模様が「World Flight 1997」と名づけられたWWWサイトを通じ、世界に向けて発信されている。
「Flight Map」というコーナーでは、現在のElectra 10Eの位置が表示されている。24日現在、東回りの飛行はフロリダ州パームビーチに到着。次の目的地はプレルトリコのサン・ファンだ。また、特別に配置された飛行エリアの天候速報は、情報不足が命取りとなったEarhartの夫からのたっての希望だとか。
1937年と1997年のそれぞれの「World Flight」を対比した情報アーカイブは、飛行の歴史とともに勇気ある2人の女性の歴史である。「World Flight」を追ううちに、自分の夢もかなえられそうな気持ちになる。
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