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パロディーサイトで名誉挽回? Webデザイナーたちの「highersource.org」 (97/04/02)

3月26日、サンディエゴで発生した集団自殺事件。Heaven's GateがWWW上で活動をしていたことから、主要メディアでも「インターネットが生んだカルトの悲劇」という表現まで出るほど、インターネットを利用していたという側面が強調されている。

「Heaven's Gate」と呼ばれるWWWサイトでは、布教活動のほかに、ホームページ作成などのビジネスも一緒に行なっており、ここでの収入が教団の運営資金や生活費となっていたのだという。

この報道を聞き、全米のWWWデザイナーたちは、「またか…」とため息をもらした。以前起こった、インターネットを介しての幼児猥褻画像販売事件の際も、問題の焦点は当事者よりもインターネット云々に集中した。彼らの予想通り、インターネットをよく知らない一般層から、「教団の人と知り合いなの?」とか、「うちの子もカルトにはまっているのかしら?」といった類いの質問が多いのだという。新しいメディアが持つ宿命とも言えるかもしれない。

そこでどうしたかというと、Heaven's Gateのビジネスサイト「highersource.com」のパロディーサイト「highersource.org」を彼らが作ってしまったのだ。屈辱にはユーモアで対抗というわけだ。

アメリカ人にとってユーモアのセンスは必要不可欠。雄弁かつ機知に富んだユーモアが、日常生活のみならずビジネスでも人材評価の基準のひとつとなる。悲劇が生じた際でも、それにともなうジョークがメディアを賑わす。困難を笑ってクリアするサバイバル精神の表われかもしれない。

このパロディーサイトでも、その国民性を反映してか、オープン2日目にして20万ヒットを記録。メディアの集中攻撃に怒れる全米のWWWデザイナーたちが殺到しているのだという。私も1人のWWWデザイナーとして、ブラックユーモアたっぷりの「highersource.org」を堪能してしまった。

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