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精神世界の祭典「Whole Life Expo」 (97/04/30)
「natural healing」「global change」などの言葉が普通名詞として使われるようになってきたこの頃、spiritual活動団体が一堂に会する「Whole Life Expo」がサンフランシスコを皮切りに各都市で開催されている。クリスタル、アロマテラピー、霊気、オーラ撮影など、ありとあらゆるものがデモンストレーションされている会場では、無料もしくは10ドル前後で「healing」を体験することができる。私も興味本位でハンガリーで開発されたという「瞳孔による健康チェック」を受けてみた。瞳を見ればその人の健康状態が細部にわたって分かる、というものらしいのだが、結果は特に当たり障りのないもので、よかったというか、がっかりしたというか…。
「Whole Life Expo」では、展示と並行してspiritual書の著者による講演会が行われていた。「聖なる予言」で日本でもお馴染みのJames Redfieldや、精神的自己開発をテーマにベストセラーを書き続けているWayne Dyerなどが講演者として名を連ねている。質疑応答なども活発に行なわれる会場は、さながら「精神世界大学の教室」といったところだ。
Spiritual文化がこれほどまでに一般に浸透するようになったのは、カリスマ性を持った著者による出版物の功績が大きい。精神世界の代名詞のように有名な医学博士Deepak Chopraは、政治家や芸能人にも支持者が多く、ある種のファッションのような雰囲気さえある。Chopra博士は講演会や個人カウンセリングなどで支持者とのつながりを持っているが、最近ではインターネットを通して活動を行なう著者も増えてきた。
名著「Love, Medicine & Miracles」で、不治の病に侵された患者の心の支えとなっている医学博士Bernie Siegelは、同書出版当時の86年以来、AOLで読者とのコミニケーションをとっている。また、精神文化の商品価値を認めたWiredは、同サイト内にnatural healingの書籍で有名な医学博士Andrew Weilの「ask Dr. Weil」を開設。こちらは先週オープンのできたてホヤホヤだ。
これらのように有名で、ある意味では「保証付」のWWWサイト以外にも、ありとあらゆる精神世界サイトがExpo会場さながらに存在する。書籍、講演会、そしてインターネットと、精神文化情報の入手選択肢が幅広くある現在、まやかしに惑わされることなく、自分の心の道標は慎重に選んでいきたいものだ。
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