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サオリ姉さんのSurfin'USA
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コンピュータをもっとリサイクル「Computer Recycle Network」 (97/05/26)

新機種、新技術が1ヵ月単位で発表されるようなコンピュータの世界。技術に合わせた機種のアップデートが頻繁に行なわれる中、どうしても時代についていけなくなったマシンが出てくる。単体としては動いてもネットワークで使えなければ会社にとっては無用の長物だ。以前、知人の会社で不要になったコンピュータを某慈善団体に寄付しようとした折、「その手の機種は既にあるのでいらない」と断わられ、引き取り先を探すのに苦労したことがある。もっと簡単に寄付できたら…、と思っていた矢先、テレビ番組「The Site」で格好の特集を発見した。

「Charitable Computing」と題したこの特集、不要になったコンピュータを効率良く社会に還元する活動を行なうコンピュータリサイクル団体が数多く紹介された。地域に根差した団体が多いが、「The Lazarus Foundation」の様に全米規模のネットワークを持つ組織もある。全米にはまだまだコンピュータが1台もない学校や施設、慈善団体が多いが、それらが一覧表となっているわけではなく、有名な施設に寄付が片寄るという不均衡が生じている。そこで、こうしたリサイクル団体では、それらの調査や希望受付窓口を設けるなどして、なるべく公平に行き渡るシステムを確立。リサイクル団体に寄付するだけで、企業の無用の長物が適所に運ばれるという仕組だ。

「Computer Recycle Project」「AnotheR BytE」など、回収したコンピュータを修理・アップデートして配布する団体も多く目につく。これらの作業は主にボランティアによって行なわれているが、この番組で紹介されたユニークな例のひとつが「刑務所内の修理センター」。カリフォルニアの女子刑務所がコンピュータ寄付団体と提携して行なうプログラムで、刑務所内に設置された修理センターでは、職業訓練を兼ねて希望者にコンピュータの修理方法を教授。持ち込まれた機材は囚人たちの手によって次々とテスト、修理、アップグレードされていく。「入所する前はコンピュータをさわったこともなかったけれど、今なら一から組み立てられるよ」「子供たちから感謝状が来ると本当に嬉しい。自分は道を誤ったけれど、子供たちには勉強できる環境をあげたい」と、囚人たちの表情はいきいきしていた。リサイクル活動の素晴しい副産物と言えるだろう。

寄付は企業にとっては税金控除の対象ともなる。さらに、いらないものを簡単に処分できて、それが社会の役に立つとなれば一石三鳥。さっそくリサイクル団体のリストを知人の会社に持っていくつもりだ。

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