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サオリ姉さんのSurfin'USA
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FBIはネチズンの心強い味方 (97/06/02)

5月23日に起こったハッカー逮捕事件(NEWS.COM)。「Smak」のスクリーンネームを持つ容疑者Carlos Salgadoが、オンライン販売サイトをハックし、収集したクレジットカード番号を闇取引していたというもの。

プロバイダーからの異常アクセス報告でしばらく前から当たりをつけていたFBIのUndercover Agent(覆面捜査官)は、犯人確認のためSmakとおとり小額取引を実行。犯人の信頼をしっかり得ておいてから、26万ドルで10万人分のクレジットカード番号を取引する約束を取り付けた。取引場所はサンフランシスコ空港。安心しきって現われたSmak。約束の地点に反対側から歩いてくるのは、胸ポケットに右手を入れたスーツの男たち。当たりを見回すと、カウンターの陰にも出口にもイヤホンをつけた男たちが自分を監視している。「はめられた!」と思った瞬間、身を翻して駆け出すSmak。その背後で銃声が…、と後半は私の勝手な想像。アクション映画の見過ぎのせいか、思わず想像が膨らんでしまった。

それはさておき、こんな輝かしい実績が触発したのか、「USA TODAY」によると28日にはシリコンバレー共同体がFBIに「Help!」の声を送っている。シリコンバレーでのチップを中心にした盗難被害は、週100万ドルにもおよぶという。ハイテク機器専門のギャングが形成された地域では、製造会社倉庫への襲撃が頻繁。地元警察「High-Tech Squad」の徹底抗戦によってこれらの犯罪はずいぶん減少したかに見えたが、今年になってギャングの標的は輸送トラックへと移行している。ほとんど、現金輸送馬車を狙うならず者がはびこる西部無法地帯の様相だ。盗難だけでなく、ハイテク業界要人の誘拐、不法製品コピー、産業スパイ、特許盗難などの心配を持つシリコンバレー。地元警察の力だけではカバーできなくなった地域で、FBIの協力が強く求められているのだという。

また、シリコンバレーだけでなく、一般のネチズンたちからの期待も大きいFBI。「Digital Dragnet」と題したThe Siteのインタビューで、特別捜査官George Vinsonが語る内容には、その期待に答えてくれるような話が目立つ。「企業が報告するコンピュータ関連の被害は1997年では全体の17%でしかないが、企業はもっと犯罪の実態を公にするべき。それらにFBIが対処していくことによって、ハイテク産業の良い前例を作って行くべきだ」、というのがVinson氏の見解。犯罪量に奔走されるのではなく、まだまだ余裕がある心強い体制だ。

ハッキングがよく話題になるFBIサイトに関しても、ハッカーたちの本質を十分理解しているように見える。「純粋なチャレンジ精神は分かるが、被害を及ぼすハッキングに対しては、前例の意味で厳しく対処する」とのこと。

ある事件報告でTVニュースに登場した某FBI捜査官、開口一番の「Scullyは今日は別件で来れません」に、記者会見の会場がやわらいでいた。Scullyとは、人気テレビ番組「The X-Files」の中のFBI捜査官。こんなユーモアも持ち合わせたFBIは、善良なネチズンたちの信頼できるボディーガードと言えそうだ。

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