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映画Ratingシステムをテレビに応用、テレビ番組Ratingシステム改訂版 (97/07/14)
--「シンドラーのリスト」はとてもいい映画ね。もう見た?
--ううん、あれは「R」だから見ないの。
主人の実家へ里帰りした際に耳にした、2歳の息子を持つ姪との会話だ。彼女に限らず、敬虔なクリスチャンである主人の家族のほとんどが、R指定の映画は見ないのだという。子供と見る映画はほとんどがディズニーの作品、ケーブルTVも子供への影響を考えて引かない。子供を猥褻や暴力画像から守るため、またクリスチャンとして自らのモラルを守るために、Ratingシステムを積極的に参考にしている親たちの一例である。一般映画とポルノ映画の区別しかしていなかった私には、多少驚きであった。
現在アメリカでは、テレビ番組のRatingシステムの改訂が行なわれている。番組の始めにRatingを画面に表示する方法は、親が子供に見せてよいかどうかの判断の助けとして、また、今後V-Chipが採用された際の基準として、今年始めから採用されていたもの。映画より日常生活に密着しているにもかかわらず、映画と違って事前に内容の判断をすることができないテレビ番組。このRatingシステムの採用や改良に対しては、PTAが活発な運動を行なっている。当初のRatingシステムがおおまかで分かりにくいことから、さらに細かくジャンル分けをした改訂版がこのほど提示された。
このRatingシステム、具体的にどんな分類をしているのだろうか? テレビ番組Ratingシステムの母体となった映画Ratingシステムも含めて紹介しよう。
G | General Audiences | 一般対象 |
---|---|---|
PG | Parental Guidance Suggested | 児童に不適当な箇所あり。保護者の判断を要する |
PG-13 | Parents Strongly Cautionaed | 13歳以下の児童に不適当な箇所あり。保護者の判断を要する |
R | Restricted | 17歳以下の青少年は、保護者の同行が必要 |
NC-17 | No one 17 and under admitted | 17歳以下、禁止(いわゆる「X-Rated」) |
児童対象Rating | ||
---|---|---|
TV-Y | All Children | 全児童対象 |
TV-Y7 | Directed to Older Children | 7歳以上対象 |
TV-Y7-FV | Fantasy Violence | 7歳以上対象、アニメーションなどの暴力画像あり |
一般対象Rating | ||
TV-G | General Audience | 一般対象 |
TV-PG* | Parental Guidance Suggested | 児童に不適当な箇所あり。保護者の判断を要する |
TV-14* | Parents Strongly Cautioned | 14歳以下の児童に不適当な箇所あり。保護者の判断を要する |
TV-MA* | Mature Audience Only | 成人対象、17歳以下禁止 |
*印のものは具体的な不適当箇所を明示するため、以下の表示が加わる。
V moderate violence 若干の暴力画像 S some sexual situations 若干の性的画像 L infrequent coarse language 若干の下品な言葉 D some suggestive dialogue 若干の猥褻事項を暗示させる会話
もちろん、こうした基準を参考にすれば万事OKというわけではない。それでも客観的なガイドラインがあるということは、子を持つ親にとっては大きな助けとなることには違いない。
先日の「通信品位法違憲判決」で、インターネット上で子供を守る義務がこのところ注目されている。まず身近なテレビ番組のシステムに慣れ、それをインターネットで活かすというのがシンプルで分かりやすいのかもしれない。
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