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ハッカーがラスベガスに大集合「Def Con 5」 (97/07/28)

 こっそり隠れて作業するのがハッカーのライフスタイルと思いきや、近ごろのハッカーは外交的なパーティー好きが多いらしい。「すべてのハッカーのためのハッキング講義とパーティー」と題して、7月11日からの3日間、全米のハッカーが大集合した「Def Con 5」の開催地はなんとラスベガス。ギラギラ光るカジノのネオンの下を、バックパックで練り歩くハッカーたちの姿は、なかなか想像しにくい。

 今年で5回目になる、毎回ハッカーの自主組織がボランティア的に企画開催している「Def Con」。すなわちDefheadたちのConventionなのだが、毎年参加人員も増え、今年も1,000名以上が参加し、盛況のうちに終了したようだ。案内状には開口一番「ようこそ!Hackers、Phreaks、Hammies、Virii Coders、Programmers、Crackers...」との呼びかけがある。HackerとCrackerの呼び分けなどを飛び超えた、ハッカー文化の複雑難解さをかもし出している。素人の私にとっては、ハッキングなどというものはとても神秘的な領域。一体このDef Conで何が起こったのか興味津々だ。

 講義の目録はこんな具合だ。「Novell Netwareをハックする方法」「Java開発とハック」「ActiveXとObjectのハック」…。素人が聞くとちょっと危なそうな内容が続く。TechWebのTechnology Encyclopediaによると、「hack」とは「問題解決のためのコーディングをすること」。これを良く頭に入れておかなければ誤解を招きそうだ。

 さらに続く講義「FBI Computer Crime Squadによる講演と質疑応答」では、FBIとハッカーたちの交流が深まり、コンピュータ犯罪に対する協力体制ができそうな気配。そして「メディアのハッカー教育」は、誤解されがちなハッカーの立場を一般メディアに知ってもらうための運動の一端らしい。今年大きく取り上げられていたのが「Newbieハッカーへの注意事項」。メーリングリストなどで知り合った相手に、犯罪者とは知らずハック情報を流してしまい、気付かぬうちに自分も犯罪の片棒をかついでいる新米ハッカーが多いという。それを先輩ハッカーたちが防いでやろうという企画だ。

 講義のほかにもハッカー流の遊び企画がいろいろあったのだそうだ。「Quake対戦」では目の座ったハッカーたちの壮烈な戦いがあったらしい。「Hacker Jeopardy」では質問の内容すら素人にはわからないような問題に、回答者ハッカーたちが瞬時に答えていたに違いない。会場に設置されたサーバーを乗っ取る数を競う「Capture The Flag」に至っては、会場全体が1つのゲームインターフェイスと化してしまったんだとか。「タダでビールが飲める唯一のコンベンション」と唱うだけあって、各ゲーム会場には無料ビールが山積み。アルコールが入るとハッキングにも一段と磨きがかかるというものだ。

 アンダーグラウンド・カルチャーを濃縮して体験できるハッカーたちのコンベンション。8月にはニューヨークで「Beyond Hope」なるものも開催されるらしい。ハッカーのフリをして会場に潜り込むために、まず服装から研究しなくては!

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