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ますます深刻化するジャンクメール事情 (97/07/30)
このところ商用オンラインサービスAOLのアカウントへのジャンクメールが多い。本当に多くて困っている。怪しげな株情報、不老長寿の薬、挙げ句に登録した覚えもないアダルトサイトのアップデート情報まで…。「これは一度きりのメールです」と前書きがあるのはまだいい方で、ほとんどは「remove」申請を返送してもはじかれてしまうものばかり。送信者名やサブジェクトで判断し即座にデリートするのがほとんど日課になってしまったが、大量のジャンクメールに混じった大事なメールを消してしまったこともあり、怒りは募る一方。こんなジャンクメールに対しAOLは、メンバーからのものについては処置できるが、インターネットを介したものには直接行動が取れないという。メールのremove支持に従う、メールのポストマスターに通報する、など受信者側の行動を促しているが、1日20通以上も届くジャンクメールにいちいち対処するわけにもいかないのが現状だ。
一方、大手プロバイダーEarthlinkのアカウントへのジャンクメールは今のところほとんどない。Earthlinkは5月、無差別商用メール発信斡旋を行なうCyber Promotions社を相手に、Spam(ジャンクメールを送る行為)拒否裁判に勝訴し、一般プロバイダーのSpam拒否運動の先駆者となった。確固たるポリシーを掲げて徹底的なSpam排除を目指しているのは嬉しいのだが、その一貫としてとられた「外部のEarthlinkサーバーを介したメールの送信をブロックする」という措置には困った。つまり、他のプロバイダーに接続し、Earthlinkアドレスで送信するということができなくなってしまったのだ。日米を往復しても1つのアカウントでメール管理ができた以前の便利さを、一連のSpam騒動のおかげで失ってしまった。全く迷惑な話である。
インターネットのルールについて、業界の自主規制を促した大統領のコメントに呼応して、MCIなど、プロバイダーや商業オンラインサービス各社は続々と独自の規制案を発表し、商用マルチポストに関する厳しい規制項目を設けるようになった。「CAUCE」(反ジャンクメール連合)などによる活動や、「Junkbusters」など実際にジャンクメールを阻止するノウハウを説く活動が、以前にも増して活発化してきた。
さらに、Cyber Promotions社など商用メール業者が団結したIEMMC(インターネット電子マーケティング評議会)というのもある。「個人企業に成功の機会を」をモットーにジャンクメール普及を呼びかける。活動方法もどんどん手が混んできていて、ジャンクメール事情は複雑化する一方だ。
CAUCEが支持するNew Jersey州のSmith議員が議会に申請中の「Netizens Protection Act of 1997」などの法案が通り、法的にSpam行為が罰せられるようになるまで、まだまだ私の「デリート」生活は続きそうだ。
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