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サオリ姉さんのSurfin'USA
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人気TV番組とインターネットファンの関係 (97/08/20)

このところ登録しているMLの中の差出人のアドレスに「WebTV mail」というのが目立つようになった。私個人はWebTVは「Fry's」「Good Guys」などの電化製品売場でしか試したことがないが、製造各社の市場拡大のニュースなどを見るにつけ、着実にWebTVの利用者が増えていることを感じる。家庭での娯楽といえばやっぱりTVだが、インターネットがTVと密接になるにつれて、TV番組とインターネットファンの関係も形態を変えつつあるようだ。

TV番組のファンページは、インターネット普及当初から人気のカテゴリー。「昨日のエピソードについてどう思う?」などの会話が交されるニューズグループも無数に存在する。TVとインターネットがはっきり切り離されていた当時、インターネットでのファン活動は、一般市場とは隔離されてはいるが、干渉もされない自由な領域であった。現在でもその人気は衰えることなく、TV番組関係のサイトはYahoo!に登録されているだけでも6千以上存在する。

しかし、インターネットが商業的にも普及を遂げたこの数年、番組制作側による、インターネット人口を意識したオフィシャルサイトも続々と立ち上がった。放送予定、あらすじ、役者の紹介などの一般情報掲載に加えて、インターネットならではの趣向を凝らしたサイトが増えている。

この特出した例が、NBCが土曜の夜に「Thrillogy(恐怖の三部作)」として放送している「Profiler」「The Pretender」「Sleepwalkers」だ。「Profiler」では、猟奇殺人捜査チームが追う連続殺人魔Jackに焦点を当てる。シリーズ最終回に明かされたJackのWebサイト、これがシリーズ終了と同時にオープンし、逃走中のJackの内面を綴っている。また、「The Pretender」は、特殊能力を持つがために秘密組織から追われる身のJarodが主人公。こちらもシリーズ間のJarodの行動をサイトで公開している。連続番組では、シリーズとシリーズの間に数ヵ月間隔があいてしまうが、サイトによる毎週のアップデートでファンは次シリーズにも釘付け、というわけだ。

また、インターネットファンが番組に貢献した例もある。人類と「Shadows」と呼ばれる敵の、五年間に渡る闘争を描く宇宙ファンタジー「Babylon 5」。第四シリーズを終え、数ある同系列の番組の中で、その続行が危ぶまれていた。それを第五シリーズに持ち込むのに、インターネットファンの大きな力があったという。これには「Babylon 5」制作側のインターネットファンに対する姿勢が物を言ったようだ。著作権法違反としてファンサイトを停止する制作会社が多い中、「Babylon 5」制作のWarner Brothersは、クレジット記載の上でロゴや画像などの素材の使用を、むしろ奨励しているのだ。純粋なファンの気持ちには前向きに答える、この姿勢がインターネットファンの心をつかんだのだろう。

TVはやはり面白い。それに関連するサイトやインターネット活動もますます面白くなってきた。一日48時間欲しい、今日この頃だ。

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