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インターネットで訪ねるマザー・テレサの生涯 (97/09/10)

ダイアナ元皇太子妃に続いてマザー・テレサの死。当日の米国のニュースでは、ダイアナ元皇太子妃の葬儀前ということもあり、その特集の合間の簡単な報道であった。その献身的な奉仕活動が紹介されるたびに、人間の「善」を強く感じさせてくれたマザー・テレサ。本当の意味で「偉人」と呼ぶことのできる数少ない人の一人だろう。ダイアナ元皇太子妃関連ニュースに倦怠を感じ始めていた視聴者の中には、マザー・テレサの情報を探してインターネットにアクセスする人も多かったようだ。私もそんな一人。早速Yahoo!を訪ねてみた。

ニュース報道や関連サイトのカテゴリー化が本当に素早いYahoo!。ニュース報道とほぼ同時に「Mother Teresa Dies」カテゴリーができていた。入電順にアップデートされるニュースアーカイブ、音声・動画付きのサイト、そして個人が制作したサイトもすでにいくつか登録されている。メディアによる情報提供だけでなく、インターネットへの個人の反応も日に日に早くなっていることを感じる。もっとも、マザー・テレサの生涯を振り返るには、やはり数多くの資料を持つ新聞社やテレビ局の特集が分かりやすい。

MSNBCの「Multimedia essay on Mother Teresa's legacy」では、写真とナレーションを使ってマザー・テレサの功績を紹介。さながらテレビの短編特集を見るような作りだ。「Interactive Timeline of Mother Teresa's life 」では年代を追って生い立ちを紹介している。年表をクリックすると表示される出来事の中には、1949年のマザー・テレサに続いた第1期修道女たちの写真、1979年のノーベル賞受賞時の音声ファイルなどもある。ABCの特集「An Extraordinary Life」では、年表とともにABCの所有する映像を提供。修道女になる前の若き少女時代の写真なども含まれる貴重な映像が紹介されている。また、Los Angeles Timesの「Images of A Life Devoted to the Poorest of the Poor」やCNNの「A look back in pictures」にも美しい写真が収められている。ドキュメンタリーやヒューマニズムを主題にした番組を多く持つテレビ局Lifetimeのサイトでは、9月8日放送の特集「Intimate Portrait: Mother Teresa」の紹介を行なっており、その映像も見ることができる。

これらの映像や音声を眺めながら、もっとも心を打ったのがマザー・テレサの語録集、CNNの「in her own words」だった。貧困や戦争に対する言葉、ノーベル賞受賞や引退の際に語った言葉がまとめられている。「行動の人」であったマザー・テレサの、簡潔だが信仰と慈愛に満ちた言葉の数々に、改めて「偉人」としての大きさを感じる。その中のひとつ、中絶問題に対する言葉は目に焼き付いた。 -- 「Abortion is murder in the womb... A child is a gift of God. If you do not want him, give him to me.(中絶は子宮での殺人。子供は神からの贈り物です。要らないのなら、私にください。)」 -- 女性の人権問題も含めて、普段から中絶問題の両サイドの意見に耳を傾けていたつもりだったが、この一言には脱帽してしまった。マザー・テレサ、天国に帰っていった天使のような人だ。

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