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高まる日本アニメの人気、「もののけ姫」来春米国公開? (97/09/24)

「もののけ姫」がアメリカに上陸するニュースが伝えられている。「リアリステック漫画に日本は狂喜!次はアメリカか?」という見出しで9月18日にCNNが伝えたところによると、「日本での『E.T.』を上回る人気にDisneyが着目、来年早々にも米国内での配給を予定」しているそうだ。「もののけ」は英語の「Spirit(霊)」にあたることから「Princess Ghost」というタイトルになるらしく、これにはちょっと一言言いたくなってしまうが、Disneyの配給となればヒット間違いなし。アメリカにも日本アニメの大きな波がやってきそうな気配だ。

アメリカでの日本アニメは意外に早くから浸透している。60年代後半から70年代にかけてテレビ放送された「Speed Racer」というのがあるが、日本アニメとは知らずに見て育ったアメリカ人も多い。実のところ、これは日本が誇る「マッハGo!Go!Go!」の英語版だ。メロディーは同じで歌詞が英語というあのテーマソングには、思わずニッコリしてしまう。現在もMTVの深夜時間帯で再放送されることがあり、日本アニメのクラシックとしてマニアの間では根強い人気。ほかにも「ガッチャマン」は「Battle of the Planets」、「宇宙戦艦ヤマト」は「Star Blazers」などとして放送されていたようだ。そしてここ数年の「Sailer Moon」人気は本国日本にも劣らない勢い。子供番組ではあるが、ネットにはカルトファンも多く、Yahoo!に登録されたファンのページは300近くにもなる。

コミックブックとしての日本アニメの人気も、カルトファンには絶大だ。Comic Book Shopでは薄っペらな簡易綴じのAmerican Comicsに混じって、日本漫画の英訳本が数多く並べられている。「Astroboy(鉄腕アトム)」などの古典から「Urusei Yatsura」「Akira」「Crying Freeman」など、年々発売される種類も増えてきているようだ。Anime Conventionも米国各地で開催されているし、Yahoo!のAnimeカテゴリーに登録された作品数も多い。それらを見ると、想像以上に多くの種類の日本漫画が、英語圏にファンを持つことがわかるだろう。

そんな日本アニメの人気は、これまでは子供やカルトファンなどに限られてきたが、それをポップカルチャーとして一般に紹介する動きもある。今年出版された「Eastern Standard Time」は、アジアの文化を現代的な感覚で紹介した人気図書。食生活、ファッション、トレンドなどの現状を欧米人に面白く解説する中で、日本アニメに1章が費やされている。本書をWWWサイトで紹介している「Channel A」は、アメリカのアジア系企業の協賛で作られたアジア文化と産業の窓口的存在として知られる。このA&E(Arts & Entertainment)部門の「Studio Anime」では、アメリカでの日本アニメ進出情報が随時アップデートされている。アジア全体から見ても、日本アニメはアジアの誇るべき芸術ということらしい。

日本アニメを意味する新語の「Anime」は、まだ辞書にこそ載っていないが、ポップカルチャーの世界では十分通用する単語。この様な下地がある中で「もののけ姫」が大スクリーンで公開されれば、「Anime」の米国一般への知名度もぐっと上がることになるだろう。

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