サオリ姉さんのSurfin'USA about サオリ姉さん

今週の新着映画サイト (97/10/17)

Brad Pittの新作「Seven Years In Tibet」

　1939年の秋、オーストリアの登山家Heinrich Harrerは、ヒマラヤの最高峰のひとつNanga Parbatの制覇を目指す。自己中心的なHarrerの目的は名声と栄光だったが、登山事故から英国捕虜キャンプに収容され、辛酸をなめることになる。脱走の後、チベット山岳地帯の放浪、Lhasaの町で若きDalai Lamaと対面。英語、地理、西洋文化の教師として年月を過ごすHarrerは、Dalai Lamaとの友情を通して、エゴを捨て変貌していく自分に気付く。
　Dalai Lamaによって開眼したHarrerのチベットでの7年間の記録「Seven Years In Tibet」は、1953年の出版以来多くの人々に読まれてきた。これにフランスの監督Jean-Jacques Annaudが注目し映画化。若きDalai Lamaに英語や西洋文化という影響を与えたHarrer自身の存在も、作品の中で美しく描かれている。過酷な気候で撮影の難しいヒマラヤ山岳に最も似た、アンデス山麓での大規模な撮影が話題を呼んでいる大作だ。Harrer役は「Seven」「Twelve Monkeys」などでトップスターの座を不動にしたBrad Pittが好演している。若きDalai Lamaの母親役として、Dalai Lamaの実妹Jetsun Pemaが出演しているのも注目だ。
　WWWサイトでは、作品紹介を見たり、予告編をダウンロードしたりできる。

アダルト娯楽産業の王を目指せ！「Boogie Nights」

　ディスコと麻薬が蔓延し、終わることのないパーティー文化が続く70年代末のLA。アダルト映画に魅せられた俳優Dirk Diggler（Mark Wahlberg）、万人の母であるアダルト映画の女王Amber Waves（Julianne Moore）などが、アダルト映画に真の芸術を見い出そうとする理想主義監督Jack Horner（Burt Reynolds）の下に集まり、不思議なファミリーを形成する。
　個性派たちの日常や駆け引きを通して浮かび上がる、これまでタブーとされていたアダルト産業の裏側を描く新感覚の作品。同時に描かれる70年代末から80年代初頭にかけてのアメリカンポップカルチャーが見ものだ。26歳の新鋭Paul Thomas Anderson監督による、The 35th New York Film Festival参加作品。大御所Burt Reynoldsが新イメージで復活、加えて1991年に「Good Vibrations」で空前のヒットを飛ばしたラップ歌手Marky Mark（Mark Wahlberg）の本格演技作品としても話題を呼んでいる。
　WWWサイトのアイコンはちょっとHだが、内容は「成人指定」ではないのでご安心を。「Seventies」「Eighties」で紹介される当時のファッションは、現在では逆に目新しく見えてしまうから不思議。アダルト映画用語辞典「Adult Dictionary」や、映画作りの駆け引きを体験する「Casting Couch」ゲームなども楽しめる。Mark Wahlbergの新曲を含む、懐かしのディスコナンバーを集めたサントラ版も好評だ。

罪からは決して逃れられない「I Know What You Did Last Summer」

　秋からはそれぞれの道を歩むことになる、高校最後の夏を祝ってはしゃぐ4人の若者。アルコールもまわって疾走する路上で、何か大きな物にぶつかる。人を轢いてしまったのだ。警察に届ければアルコール量もあり有罪間違いなし。希望の未来の崩壊を恐れた4人は、死体を海に流してしまう。そして1年が経ち、4人のうちの1人Julieの元へ届いた手紙には1行「I know what you did last summer.」。4人だけの秘密として葬った事故を、誰かが見ていたのだ。それから4人のまわりで恐怖の事件が起り始める。「罪からは決して逃れられない」と語るように、4人は次々と裁かれていく。
　ヒット恐怖映画「Scream」に続いて、アメリカの人気テレビスターを結集した、若者向けホラー作。主演には「Party of Five」のJennifer Love Hewitt、「Buffy the Vampire Slayer」のSarah Michelle Gellarなど。スコットランドの監督Jim Gillespieの米国デビュー作品でもある。
　心臓の鼓動でオープンするWWWサイトは、恐怖感いっぱい。Flashを使ったページはインタラクディブ性満点で、「The Setting」では電子紙芝居形式でストーリーを紹介。「The Guilty」では4人のビデオクリップ、「The Game」ではジグソーパズルが楽しめる。