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今週の新着映画サイト (97/10/24)
Richard Gere新作、中国で無実の死刑宣告「Red Corner」
やり手弁護士Jack Moore(Richard Gere)は、衛星通信契約を結ぶために中国へ飛ぶ。中国政府が認可した初の契約とあって、準備も慎重に現地に乗り込む。そんな中、Jackの前に現われた1人の中国人美女。その美貌に魅了され、一夜を共にするJackだが、翌朝起きてみると、身に覚えのない殺人事件の犯人にされていることに気付く。国家への反逆者は有無を言わさず1週間以内に銃殺、有罪判決率99%という中国の司法制度には、Jackの米国流弁術も役に立たない。唯一の頼みの綱、弁護人のShen Yuelin(Bai Ling)は、無罪を主張するより告白し慈悲を請ったほうが身のためだと、有罪を認めることを勧める。Yuelinとの価値観を超えた共同作業を通して、独裁的な中国最高部の陰謀を暴き始めるJack。しかし判決までの時間は刻一刻と迫ってくる…。
「Primal Fear(真実の行方)」で弁護人を演じたRichard Gereが、今回は異国の地での「被告」を演ずる。相手役Bai Lingは、多数の映画や劇の出演作のある中国の名優で、今回が米国映画主演デビューだ。監督は「Risky Business(卒業白書)」「Fried Green Tomatoes」などのJon Avnet。
「人権」をテーマにした本作のWWWサイトでは、映画紹介や予告編のほかに、「Human Rights」として人権問題に関する実話やリンク集を収録。サウジアラビアで英国人看護婦に実際に下った死刑宣告の例をあげて、訪問者に疑問を投げかけている。強制社会の裏と表をテーマにした神経衰弱ゲームは、単純だがなかなか不気味。
Jon TravoltaとDustin Hoffmanの新作「Mad City」
全国ネットTV番組担当の一流レポーターだったMax Brackett(Dustin Hoffman)は、ある日放送中に我を失い、トップの座を失ってしまう。地方のローカルニュースのレポーターに格下げになり、再起のためのスクープに目を凝らす毎日だ。そんなMaxが訪れたのは、Madelineという小さな街の博物館。そのMadelineの警備員Sam Baily (Jon Travolta)は、予算削減で職を失ったばかり。家で待つ愛妻と我が子のために、なんとしても職を取り戻さなければならない。Maxの博物館長へのインタビューの最中、再雇用懇願のため現われるSam。必死の願いを無視され、彼がポケットから取り出したのは銃だった。パニックに陥る博物館だが、Maxにとってはこれは再起につながる「一大ドラマ」だ。早速全国ネットの番組中継を手配する。しかし、注目の下でストーリーは一人歩きしはじめ、視聴者が求めている結論へと歪められていく…。
近年では「Outbreak」「Sleepers」などがある名優Dustin Hoffmanと、「Face Off」「Phenomenon」などで人気絶頂のJon Travoltaのコンビが見ものだ。監督は「Music Box」「Betrayed」などのCosta Gavras。
ニュース中継が主題の本作のWWWサイトは、ニュースサイトのパロディーで、一瞬本物かと思ってしまう。Madelineの街のテレビ局「KXBD6」のサイトとして、天気やスポーツニュースも提供。特集はもちろん「博物館乗っ取り事件」で、一般の意見を掲載するなど、臨場感満点だ。もちろん、作品紹介や予告編もちゃんと隠れている。
信じる者だけに見える妖精「Fairy Tale」
1917年、イギリスに住む2人の少女が妖精の写真を撮影した。第1次世界大戦の戦火の中、父親は戦地で消息を絶ち、戦争孤児となった10歳の少女Frances。いとこのElsieと共に、悲劇を忘れるために入り込んだ庭で、希望の光のように現われた妖精たちに遭遇。それ以来、少女たちのまわりには幸福の出来事が起り始める。妖精をカメラに収めたという噂は、街から国中へと広まり、「妖精は本当にいるのか?」という疑問を世界に投げかけた。この写真にまつわる話しを作家Arthur Conan Doyleが語っていくというストーリー。当時名声を二分していたConan Doyleと魔術師Harry Houdiniの対立が、妖精の力で打ち解けていく様子が伏線として興味深い。
Doyleには大御所Peter O'Toole、Houdiniには「Reservoir Dogs」「From Dusk Till Dawn」などのHarvey Keitelが扮する。監督はEmmy賞受賞作品「Gulliver's Travels」のCharles Sturridge。
WWWサイトに入るには、まず「妖精を信じますか?」にYes/Noで答えなければならない。ここにある問題の写真の真偽は別として、サイトじゅうが妖精の情報でいっぱいだ。人と妖精が共に暮らす「Fairyland」の文献紹介のほか、「Photograph the Fairies」ゲームでは飛び回る妖精の撮影にチャレンジできる。CD-ROM「Fairy Tale-A True Story」も販売している。