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米国版ポケモン? 大人気の「Beanie Baby」 (97/12/03)

11月27日のThanksgiving(感謝祭)を過ぎると、米国はクリスマスに向けてショッピングシーズンの開幕だ。クリスマスプレゼントの交換は、家族同士はもちろんのこと、友人や取引先など広範囲。この時期は特別セールなども多く、お中元とお歳暮を一緒にしたような購買強化月間となる。そんな折もおり、主人の実家を訪ねるついでに、米国最大の規模を誇るミネアポリスのショッピングモール「Mall of America」に行ってきた。

感謝祭もどこへやら、買い物にいそしむ人の群れに混じってウィンドウショッピングを楽しむうちに、至る所で「Beanie Baby入荷!」のサインが目に入ってくることに気づいた。同行した子供連れの家族に聞くと、「今、子供たちの間で凄い人気よ。この間なんか、母親同士が取り合いの喧嘩をしてたくらい」との回答。'95年頃から発売されていたというが、子供のいない私たち夫婦はどうやらこの流行に完全に乗り遅れていたようだ。それにしても大人を喧嘩にまで巻き込む「Beanie Baby」って、一体なんなのだろう?

入荷のサインのあるおもちゃ屋に入って、まずは実物を目に。サインのあるかごに入っているのは、全長20cmくらいの様々な動物のぬいぐるみたち。かわいいけど、特に個性的なデザインというわけではない。手にとってみると中味は「Bean(豆)」。ちょうど大きなお手玉のような感触だ。なるほど、それで「Beanie」というわけか。首のあたりについたタグには、それぞれ生年月日、名前、癖、特徴などが書いてある。「うちの子はもう『Doby』は持ってるから、『Pugsly』はないかしら?」…。売り場の周りに集まった母親らしき人たちは、手に手にそんな名前のリストを持って、子供の希望した商品探しに一生懸命だ。

ショーケースには「Retired(生産停止商品)」としていくつかのBeanie Babyが陳列され、価格も30ドルから100ドル。どうやらコレクターの間では、これらの商品が高額取り引きされているらしい。「インターネットで調べたら、うちの子が持ってるのは600ドルの値打ちがあるそうよ」と言われたものだから、さっそくBeanie情報を探すべくネットサーフィンを開始。

まずはタグに記載された製造元Ty Inc.の「The Official Home of the Beanie Babies」から。「The Official Beanie Babies List」の販売商品一覧表でその全貌をチェック。子供のコレクション欲をついた多数の品揃えだ。また、コレクター同士の掲示板があったり、ゲームがあったり、米国全土が熱中している様子が感じられる。さらにYahoo!で検索をかけると、出てくる出てくる。オフィシャルサイト顔負けの商品リストを誇る「Ultimate Beanie Baby Web Page」など、熱狂的なファンサイトが目立つ。オンラインでトレードを行なう「Beaniex.com」では、レアものになると最高1,000ドルの値が付くこともあるようだ。

クリスマスに向かって、「Beanie Baby」人気にはさらに拍車がかかることだろう。類似品も多く出ているが、知ってしまったからにはやはりオリジナルでなければ、というのが消費者の心理。「集める」という商法で成功している点では、日本のポケットモンスターの人気に通じるところもある。私もさっそくダルメシアンの「Dotty」を購入してみたが、これが1,000ドルになるのはいつのことやら…。

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