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まずは使ってみよう!子供のためのネットフィルター機能 (97/12/10)
12月1日から3日間、ワシントンDCで開催された「Internet Online Summit: Focus On Children」(本誌12月3日号、4日号参照)。「子供をインターネットの有害情報から守る」という目的の下、米国政府の呼びかけで企業や教育団体が結集した。AT&T、AOL、Microsoft、Disney、Time Warnerら大企業5社がホストとなり、CompuServe、DEC、IBM、WebTVら18社が協賛、FBIや大使館、各種教育団体などを含めて、総参加団体数200にもおよぶ大規模な集まりに発展。内容も充実したもので、副大統領による「親向けインターネット利用ガイド」の刊行、業界大手企業の具体的な自主規制案など、多くの決断がなされることとなった。サミット期間中の講演はインターネットでもライブ中継されたので、参加できなかった教育関係者たちもその熱気を体験することができたことだろう。
そんな最中、私自身が実際に「インターネットでの子供保護」を体験することになった。我が家のコンピュータを友人の子供が使いに来ると言うのだ。4th Grader(小4)のジェフ君は、学校ではいつもMacintoshを使っているという。宿題のためにAOLを使わせて欲しいと言われ、ちょっと心配。おそらく学校ではSurfWatchなどのソフトを使用し、WWWサイトの閲覧制限をしているのだろうが、何しろ我が家のアクセスはアダルト向けフルオープン。AOLとはいえ、クリックひとつでWWWの荒波に飛び出せてしまうし、いきなり飛び込んでくる知らないメンバーからのインスタントメッセージも危険極まりない。そんなわけで、AOLの「Parental Controls」に初挑戦することにした。
AOLの「Parental Controls」は、子供の年齢に合わせ3段階に設定可能。12歳以下の児童には「Kids Only」レベルが奨励され、使用できるチャンネルはAOLが提供する子供用チャンネルのみ。インスタントメッセージ、個人チャットルーム、有料サービスなどの使用はできない。画像などが送られてくる可能性のある添付書類も利用できず、メールの送受信はテキストのみ。チャンネルが制限されているので、AOL以外のサイトを見ることもできない。
そして、13歳~15歳の「Young Teen」、16歳~17歳の「Mature Teen」にも、「Kids Only」ほどではないがそれぞれ制限がある。チャンネルはすべて使用できるが、有料サービスや添付書類付きのメール、個人チャットルームなどは禁止。WWWサイトやニューズグループの閲覧にもそれぞれのレベルに合わせて制限がある。
AOLによるデフォルトの設定が気に入らなければ、さらに細かい調節をすることも可能だ。Chat、Download、Newsgroup、Mail、WWWのそれぞれのカテゴリーで、該当チェックボックスをクリックするだけで、細かい機能のオン・オフが設定できる。例えばChatでは、Instant Message、All Rooms、Members Room、Conference Roomsのそれぞれにオン・オフの指定ができる。NewsgroupやWWWでは、ドメイン名や単語を入力してブロック指定することもでき、SurfWatch並みのコントロールが可能だ。
ジェフ君のために「Kids Only」指定したAOLに、試しにアクセスしてみた。「Welcome!」のメッセージと共に現われたのは、いつもとは全く違うシンプルでカラフルなインターフェイス。簡単なメール機能と「Homework Help」「AOL Kids Only」が主なコンテンツだ。そうか、ジェフ君はこの「Homework Help」が使いたかったわけだ。これで安心してジェフ君には宿題をしてもらい、親同士はおしゃべりに熱中できる。
思ったより簡単にできたAOLの「Parental Controls」。クリック1つで毎日有害サイトリストをアップデートできるというSurfWatchも、簡単な設定ですぐに使えるソフトらしい。心配する前にまず使ってみる、というのが一番だ。
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