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人権宣言50周年キャンペーン「Human Rights Caravan」 (98/01/19)

1948年の国連総会での「世界人権宣言」採択から今年でちょうど50年。「すべての人間は自由と平等の下に生まれ、尊厳と権利を持つ」という書き出しでうたわれる30箇条の宣言文は、世界規模での人権擁護の実現に向けた大きな一歩であった。50周年を迎える今年、世界各国でこれにちなんだ行事が行なわれる予定だが、その1つとして、Amnesty Internationalが特別サイト「Human Rights Caravan」を立ち上げた。

Amnesty Internationalは、1961年に英国の弁護士たちを中心に発足した「世界人権宣言」に基づく人権保護活動団体。当時軍政下にあったポルトガルで、「自由に乾杯!」と叫んだために投獄された学生の事件がきっかけになったという。独裁政権下での公正な裁判、拷問や死刑の廃止、拉致事件の追及などを、一般市民の声として訴えかけようという活動を行なっている。活動範囲も世界的に広がり、現在160の国で110万人以上の個人が会員として登録しているという。

こうした活動の存在を知らせるために、Amnesty Internationalでは種々の映画やコンサートなどと提携し、一般への啓蒙活動を行なっている。ふだん政治意識の薄い10代へのアプローチとして昨年企画された「Get Up, Stand Up」プロジェクトは、Bob Marleyの名曲をタイトルとした一大キャンペーンだった。若手から大御所まで、多数のミュージシャンによるタイトル曲の演奏CDが目を引き、音楽ファンの関心を集めるのに成功した。「表現の自由」の大切さを最も感じるであろう芸術家や音楽家の中には、Amnesty Internationalの意図に賛同する著名人が多い。また、それらの著名人のファンであるということがきっかけとなり、Amnesty Internationalや世界人権宣言に対する関心が湧く、というのも好ましい構図であるように思える。

そして「Human Rights Caravan」では、1998年10月10日の50周年記念日までの期間、世界中で行なわれているキャンペーン活動を模様を追っていく。スタートとして、昨年12月に行なわれたクリントン大統領の「世界人権宣言50周年スピーチ」、R.E.M.のMichael Stipeのインタビューなどが既に掲載されている。この期間中には各地で署名が集められ、10月の記念日には大型の本として国連に納められる予定だが、実はこの署名をWWWサイトからも行なうことができる。「人権保護と言っても、一体何をするの?」という訪問者には、「現在早急に救出しなければならない人々のプロフィール」を一読するのがオススメ。名前とその人の生い立ちや業績、そして現在置かれている状況を知り、その人に対する個人的な同情心を持つことが、参加するための最も自然な形なのかもしれない。

また、「世界人権宣言50周年」やAmnesty Internationalに関連したWWWサイトは多く存在し、今年はさらに新しいサイトが増設される模様。このような記録が世界中のどこからでも読め、また通常ではハガキで送らなければならない参加表明をWWW上で簡単にできてしまうのもインターネットの素晴しいところだ。

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