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オリンピックテレビ中継に不満! 視聴者がネットに集中 (98/02/18)

6日目にしてアトランタオリンピックの16日間分のヒット数を超えたという、長野オリンピックオフィシャルサイト。サイト制作のIBMの発表によると、2月12日の時点で2億2,190万ヒットというから、今頃はその倍にはなっているのだろうか。2年前のアトランタの時点からインターネットユーザー数が激増したことも大きな理由であると思うが、米国でのオフィシャルサイトの人気は「テレビ中継が良くない」ということが関係しているようだ。

米国でのオリンピック中継はCBSの独占(一部TNT)だが、その番組作りの悪さが話題になっている。米国選手のみに焦点を当てた放送、既成のセグメントを割り込ませるためにいきなりカットされる実況中継、そして「長野」の発音の間違い、加えて高視聴率番組とあって普段よりも多いのではないかと感じられるCM。CNETの報道によると、CBS側でもそれらを把握し「1億以上の米国の視聴者全員を満足させるような放送は無理」と返答しているとある。

直接CBSに抗議の電話をする視聴者もいるようだが、ネチズンは掲示板やチャットルームを通して不満を訴えている。CBS SportsLineのOlympics Forumや「rec.sports.olympic」などのニューズグループには、不満のメッセージがいっぱいらしい。中には直訴キャンペーンを繰り広げる者もいる。UCLAの学生Justin Scottは、ネットの即時性を活かした直訴情報ページ「CBS Dissatisfaction Page」を立ち上げた。オリンピックの万国平等精神からかけ離れ過ぎているCBSの報道の仕方を冷静に述べた後、CBSやオリンピック関係組織、スポンサーなどの直訴先のURLが綿密に列挙されている。インターネットだからこそ、今すぐ直訴すれば放送期間中に何とか改善されるのではないか、という試みだ。

Variety誌の記事によると、CBSのオリンピック中継視聴率は、開会式は快調の出足であったが、2月11日には過去30年の同曜日の冬期オリンピック中継で最低にまで落ちたそうだ。スキー競技の天候による中止などが原因であるとされているが、全般的に「中継が面白くない」と感じる視聴者のテレビ放送離れも反映しているのかもしれない。

オフィシャルサイトの高ヒット数の裏には、こうしたテレビ視聴者が多く流れてきていることが想像される。CMばかりが増える受動的なテレビに比べて、年々内容が充実してくるインターネットは、今後も大きなイベントの際には効力を発揮することだろう。ともあれ、世界の国々が平等に参加するオリンピックが、国境のない媒体であるインターネットで盛況なのはとても自然な結果であるように思う。

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